総務省の『家計調査』と『消費者物価指数』を使って、イカとタコの需要の所得弾力性と価格弾力性を計算してみましょう。
年次(暦年)データで、二人以上世帯(勤労者世帯)を使います。
購入数量=α+β1×実質所得+β2×価格指数
需要曲線、供給曲線は、両者が一致した点しか観察されないので、本来は区別が難しいですが、イカやタコの場合は採れたものすべてが価格に関わらず供給される(各時点で供給曲線が垂直)と考えれば、需要曲線として推定できます。
経済統計の使い方では、経済統計の入手法から分析法まで解説しています。
需要関数
需要量は、『家計調査』のイカとタコの購入数量、実質所得は、実収入を消費者物価指数(総合)で割ったもの、価格指数は、消費者物価指数のタコとイカをそれぞれ使っい、下記のように対数線形で推計してください。
$ 購入数量=\alpha +\beta_1 ×実質所得+ \beta_2 ×価格指数 $
需要曲線と供給曲線は、両者が一致した点しか観察されないので、本来は区別が難しいですが、イカやタコの場合は獲れたものすべてが価格に関わらず供給される(各時点で供給曲線が垂直)と考えれば、需要曲線として推定できます。
データ
e-Statから
データは、e-Statから入手します。暦年のデータで推定します。
購入数量と実収入は家計調査、物価指数は消費者物価指数から入手します。
家計調査→データベース→2人以上の世帯→年次
- 実収入は、用途分類(総数)
- 購入数量は、品目別分類(総数:数量)
を使います。
実収入 | 購入数量 | ||
表彰項目 | 金額 | 数量 | |
用途分類/品目分類 | 実収入 | たこ、いか | |
世帯区分 | 2人以上世帯のうち勤労者世帯(2000年~) | 2人以上世帯のうち勤労者世帯(2000年~) | |
地域区分 | 全国 | 全国 | |
時間軸(年次) | 全選択 | 全選択 |
消費者物価指数→2020年基準消費者物価指数→データベース
総合、いか、たこ | |
表彰項目 | 指数 |
2000年基準品目 | 総合、いか、たこ(項目検索で検索できる) |
地域 | 全国 |
時間軸 | 全解除後、「同一階層の選択/解除」で選択をクリック、2022年など暦年の数値を選択する。 |
データの加工
実収入は消費者物価指数(総合)で割って、実質所得にします。
実質所得=実収入/消費者物価指数(総合)×100
購入数量、実質所得、価格はすべて対数にします。エクセルでは自然対数関数(=ln(値))を使います。
課題用データは以下からダウンロードできます。
推定結果
推定期間は2000年から2022年です。
イカの推定結果
タコの推定結果
イカとタコの所得弾性値と価格弾性値は以下のようになりました。