経済統計の使い方
統計初心者の社会人向けに、経済データの解説をしています。「まとめページ」をご覧くだされば、全体的な内容がわかると思います。
経済指標

貿易をみるために必要な統計ベスト3

輸出入の総合的な指標は、GDP統計の内訳である「財貨・サービスの輸出」「財貨・サービスの輸入」ですが、その基礎統計のベスト3を発表します。

景気への影響という意味では輸出数量指数の影響が最も大きいでしょう。2位は、同じく数量指数の輸入数量指数としました。両者とも地域別、財別にも分析できるのが強みです。経常収支貿易収支のどちらを3位にするのか迷いましたが、サービスなども含んでいる経常収支の方が重要度が高いと考えました。

輸出数量指数

輸出数量指数は、国内から海外へ輸出する財の数量指数です。数量指数とは、〇〇トン、〇〇台といった価格に左右されない単位にの指標です。金額ベースの輸出額は、輸出価格や為替レートに左右されますが、数量ベースでは価格面の要素に左右されないので、輸出動向が正確に把握できます。

貿易統計を使って財務省が計算しているものなので、輸出地域(国)別にも、財別にもある程度細かく把握することができます。

アジア向けが約6割、アメリカ向けが約2割なので、これらへの地域への輸出動向が全体を左右します。大きな波としては地域にかかわらず同じような動きをしますが、ある地域の景気がよければ需要が増えてその地域向けの輸出が増えますし、不景気なら輸出は減ります。

「月例経済報告」 主要経済指標より

品目別では、輸送用機械一般機械電気機械がそれぞれ約2割のシェアを占めています。輸送用機械は、主に自動車です。一般機械はイメージしにくいですが、工作機械や建設機械など、企業が使う機会です。電気機械は、テレビやビデオなどの電気製品のほか、半導体などIT機器の部品が含まれます。

「月例経済報告」 主要経済指標より

輸入数量指数

輸入数量指数も、輸出数量指数と考え方は同じです。基本的には景気が良くなると増えるので、景気動向に左右されます。

原油などの鉱物性燃料は海外に依存していますので、鉱物性燃料の輸入動向は全体を大きく左右します。また、原油価格が上昇すれば需要が減るので価格にも左右されます。

「月例経済報告」 主要経済指標より

経常収支

経常収支は、国際的なお金の受け払いの総合的な結果を示します。「経常」という言葉は、平常と同じで、普通に過ごして得られた結果問う意味です。「経常利益」は、特別な損益を含まない、普通の活動で得られた利益を指します。経常収支は、普通の活動で得られた国のお金の収支を表すと考えればよいでしょう。

普通の活動としては、財、サービス、所得があります。貿易収支は財の収支です。サービス収支はサービスの収支で、旅行収支や建設収支、金融サービス収支など様々なサービスの収支になります。第一次所得収支は、以前投資収益収支と呼ばれたもので、海外に投資した資産から得た収支になります。

(参考)財貨・サービスの輸出入

支出面からみた国内総生産(GDP)の内訳として、「財貨・サービスの輸出」と「財貨・サービスの輸入」があります。総合的な輸出入の数字といえば、GDP統計のこの2指標になります。

財貨の輸出入は貿易統計でとらえることができ、サービスの輸出入は国際収支統計で捉えることができます。名目の財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)は、貿易・サービス収支とほぼ等しいです。

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