経済統計の使い方
統計初心者の社会人向けに、経済データの解説をしています。「まとめページ」をご覧くだされば、全体的な内容がわかると思います。
経済指標

生産をみるために必要な統計ベスト3

製造業の生産活動をみるために必要な統計のベスト3です。経済産業省は鉱工業指数を発表しており、結果の概要(最新結果の概要)に豊富な資料があります。

まず、生産指数の動きをみるのが重要でしょう。次に、景気動向を知るという意味では稼働率指数が景気の動きを端的に表します。最後に出荷・在庫ギャップです。これは、在庫と出荷の動きから、現在在庫循環のどの位置にあるのかがわかるものです。

生産指数

生産活動を端的に表すのが鉱工業生産指数です。景気動向指数の一致指数にも採用されており、景気動向を表す代表的にな指数です。季節調整済み指数の前期比をみて、前月に比べてどのくらい増減しているのかをみるのが基本です。業種別にも発表されるので、どの産業が伸びているのかなど細かい分析も可能です。月例経済報告の主要経済指標には、生産用機械工業、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業、電気・情報通信機械工業、化学工業、鉄鋼・非鉄金属工業のグラフが載っています。

生産指数の発表とともに、2ヵ月先まで製造工業生産予測指数も発表されるので、先行きをみるために役立ちます。

稼働率指数

景気を見るためには、製造業工業稼働率指数が役立ちます。稼働率指数は、どの程度工場が稼働しているのかを表し、景気が良ければ高く、景気が悪ければ低くなるのでわかりやすいです。

稼働率指数は、生産指数生産能力指数で割って作ります。生産能力指数は現在ある工場の数などから作成され、工場など生産設備の数が変わると増減します。

稼働率指数は基準年を100とした指数で、稼働率そのものを表しているわけではないので注意が必要です。稼働率指数が100になったとしても、設備が100%稼働しているわけではありません。

出荷・在庫ギャップ

出荷・在庫ギャップは、在庫指数出荷指数の動きから、在庫循環のどこにあるのかを示すものです。景気が良いときはモノが売れるので、在庫は減り、出荷は増えます(意図せざる在庫減局面)。徐々に出荷が減り、在庫もそれに応じて減ります(在庫調整局面)、その後在庫積み上がり局面を経て、在庫積み増し局面を経て景気の良い状態に戻ります。

出荷(前年比)から在庫(前年比)を引いたものが出荷・在庫ギャップです。在庫を逆符号にして積み上げ棒グラフを描くと、意図せざる在庫減局面で最も高くなり、在庫積み上がり局面で最も低くなります。

マイナスからプラスに転じる点が景気の谷、プラスからマイナスに転じる点が景気の山になります。出荷・在庫ギャップがプラスなら景気拡大局面、マイナスなら景気後退局面に相当します。

局面出荷在庫出荷・在庫ギャップ
意図せざる在庫減〇〇〇最高
在庫調整〇〇〇〇
在庫積み上がり〇〇〇最低
在庫積み増し〇〇〇〇

同様の動きを見るものに在庫循環図があります。こちらは、在庫指数と生産指数を使っています。経済産業省は図表集 グラフで動向を紹介(鉱工業指数参考図表集)を毎月発表しており、その中に在庫循環図があります。

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