経済統計の使い方
統計初心者の社会人向けに、経済データの解説をしています。「まとめページ」をご覧くだされば、全体的な内容がわかると思います。
経済指標ベスト3

【経済統計】公共投資をみるための重要な統計ベスト3|公共工事出来高、手持ち工事高、請負金額

公共投資の先行指標

公共投資は、GDP統計の内訳の「公的固定資本形成」をみればわかります。しかし、四半期に1回の発表で発表が遅いので、月次指標で早期把握をします。中でも重要なのが、国土交通省が発表する「建設総合統計」の公共工事出来高です。

経済統計の使い方では、経済統計の入手法から分析法まで解説しています。

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第1位 公共工事出来高

国土交通省「建設総合統計」は、国や地方自治体のほか民間も含めた文字通りの総合統計ですが、そのうち、公的な部分を見ます。GDP統計の公共投資は、進捗ベースの統計です。着工ベースの統計は、工事に取り掛かった段階ですべての工事費用が計上されますが、進捗ベースの統計は、道路や橋の出来具合に応じて金額が割り振られます。

進捗ベースの定義に合わせた統計が、「建設総合統計」の公共工事出来高です。その意味では公共投資の動向を最も正確に表す統計です。

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第2位 公共工事手持ち工事高

出来高統計と同じく、国土交通省「建設総合統計」の統計です。手持ち高は、「契約はしているが、未着手の工事」です。これが多いと将来の出来高が増える要因になります。現在の動向を示すというよりは、先行きの動向を示す統計です。

第3位 公共工事請負金額

東日本建設業保証株式会社ほかの「公共工事前払い金保証統計」から作られます。建設会社が国や地方から受注した金額のうち、前払い保証対象の契約額です。

国や地方は、契約した建設会社に、契約金額の前払い(通常4割)をすることになっています。建設会社は保証料を払いますが、契約が履行できなくなった時は、保証会社が代わりに前払い金を国や地方に支払うという仕組みです。保証するのは、建設業保証会社(北海道建設業保証会社、東日本建設業保証会社、西日本建設業保証会社)です。

公共工事の動向を示す統計の中では最も先行性があります。

公共投資の概要

公共投資は、国民経済計算(GDP統計)では公的固定資本形成と呼ばれ、橋や道路、公園などの建設に支払われる金額です。

年度の計数は、国の予算と地方の予算を加えることで把握できます。

  • 国の公共事業関係費(一般会計)
  • 地方の普通建設事業

地方については、都道府県や政令指定都市、市町村などをすべて調べる必要がありますが、総務省は、都道府県と政令指定都市の合計について集計したものを発表しています。

また、補正予算が組まれると、当初予算から投資金額が変化します。特に景気浮揚のための経済対策が実施された場合、公共事業が大幅に上積みされることがあります。最終的には決算の数値が国民経済計算(GDP統計)に使われます。

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