経済統計の使い方
統計初心者の社会人向けに、経済データの解説をしています。「まとめページ」をご覧くだされば、全体的な内容がわかると思います。
経済指標

国際収支ー日本銀行のサイトが便利

国際収支統計は、海外とのやり取りを記録している統計です。財だけでなく、旅行や特許などサービスのやり取りも記録されています。

海外とのやり取りを表す統計

日本は多くの国と輸出や輸入などを通じて貿易をしています。輸出や輸入は基本的にモノのやりとりを指しますが、それ以外にもさまざまなお金のやりとりがあります。たとえば、旅行での受け取りや支払い、特許料の受け取りや支払いなどです。こうしたやりとりをすべてまとめたものが国際収支です。データは財務省のサイトから得ることもできますが、日本銀行のサイトの方が時系列データが取れて便利です。

(出所)月例経済報告「主要経済指標」

GDP統計にはサービス取引も入る

GDP統計には、財貨・サービスの輸出、財貨・サービスの輸入という項目があります。輸出入というと、貿易取引だけを思い浮かべ勝ちですが、GDP統計の輸出入にはサービス取引も入っています。外国人が日本のホテルに泊まったら、その代金は旅行収支の受け取りに含まれ、海外企業が日本企業に対して特許料を払うと、その代金はサービス輸出になります。お金が入ってくる場合が輸出お金が出て行く場合が輸入と考えます。

円安になると、財の輸出が増えると同時に、訪日外国人が増えます。GDP上では、財の輸出が増えるとともに、旅行収支の受け取りが増えることになり、両方とも、財貨・サービスの輸出の増加となります。

経常収支が重要

国際収支統計は、財務省から毎月発表されています。この中では、経常収支が重要です。「経常」とは通常の経済活動という意味で、モノとサービスのやり取りをさします。モノのやり取りの収支は貿易収支で、輸出から輸入を引いたものです。サービス収支はサービスのやり取りの収支です。たとえば、日本人が海外旅行に行ってホテルに泊まったとします。そこでホテルのサービスを受け、その代金を払います。これは日本から海外へのサービスの支払いに計上されることになります。所得収支は、労働や資本によって稼いだお金を指します。

第一次所得収支の黒字

第一次所得収支は、株式などを海外に投資する証券投資や工場などを建設する直接投資の結果得られた収益に関する収支です。証券投資や直接投資自体の収支は金融収支となり、投資の結果得られた収益が第一次所得収支の受け取りとなります。日本から海外への投資は増えており、その結果得られる収益も増加傾向にあります。

金融収支

日本の経常収支は黒字の場合が多いですが、経常収支が黒字だということは、海外からお金を受け取る額の方が、海外へ支払うお金の額よりも多いことを意味します。海外のお金の大半はドルですから、国内にドルが余っている状態です。

このお金を国内に置いていても収益を上げないので、米国の国債を買ったり株を買ったりするお金に使います。このお金の移動を表すのが金融収支です。日本から海外へお金が流れた場合、黒字になります。

$ 経常収支+資本移転収支ー金融収支+誤差脱漏=0 $

上の式が成り立ち、資本移転収支や誤差脱漏は小さいため、経常収支の黒字額と金融収支の黒字額はほぼ等しくなります。

項目説明
経常収支基本的な経済取引の結果
貿易・サービス収支財とサービスの収支
貿易収支輸出ー輸入
輸出財の輸出
輸入財の輸入
サービス収支旅行、運輸、特許使用料などのサービスに関する海外との収支
第一次所得収支証券投資や直接投資の結果生じた収益の収支
第二次所得収支ODAや寄付などの収支
資本移転等収支対価の伴わない固定資産の提供など
金融収支証券投資や直接投資の収支
誤差脱漏統計上の誤差
国際収支の内訳

日本銀行からのデータ入手法

国際収支のデータを入手するには日本銀行の「日本銀行時系列データ 検索サイト」が便利です。

国際収支を選ぶと、主要系列である貿易収支サービス収支第一次所得収支第二次所得収支の棒グラフ、経常収支の折れ線グラフで年次で表示されます。

最下段の「データ表示」ボタンを押すと、データをエクセル形式で取ることもできます。

また、グラフ画面の最下段の「系列追加」を押すと、系列を追加することができます。系列追加を選び、「メニュー検索」→「国際収支統計(BP01)」→「国際収支統計(6版基準)」→「国際収支統計」→「経常収支」→「サービス収支」と順に展開していけば、サービス収支の細かい内訳なども入手できます。

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