最近の経済動向を分析するために必要な方法について解説します。
景気の動きを見るには、経済指標を見ることが不可欠です。日本では様々な官庁から統計が発表されており、それを追っていくのは容易ではありません。
そこで、月例経済報告の「主要経済指標」を活用します。この資料だけでも、経済の現状についてかなりのことがわかります。大臣などの政策決定者が利用しているものなので、最強の資料と言ってもいいでしょう。
ただ、1ヵ月に1度しか発表されないので、発表日直前など、時期によっては最新の統計をフォローする必要がある場合があります。
重要データ
月例経済報告を利用
政府の統計は各省庁別に発表されます。それらをまとめて見やすくしたものが、内閣府の月例経済報告の資料である「主要経済指標」です。
月例経済報告等関係閣僚会議は首相のほか、経済関連閣僚や日本銀行総裁なども参加する会議なので、信頼性は高いです。1ヵ月に一回の発表なので、データが更新されていなものがあることには注意を要します。
「主要経済指標」さまざまな指標がありますが、各分野についてベスト3を作ったので参考にしてください。
- 消費ー消費総合指数、商業動態統計、家計調査
- 設備投資ー法人企業統計、資本財出荷指数、機械受注
- 住宅投資ー着工戸数、マンション販売額、工事費予定額
- 貿易統計ー輸出数量指数、輸入数量指数、経常収支
- 生産統計ー生産指数、稼働率指数、出荷・在庫ギャップ
- 物価統計ー消費者物価指数、企業物価指数、企業向け物価指数
- 景気ー景気動向指数、日銀短観、鉱工業生産指数
その後は、自分の興味の赴くまま気になったところを中心に調べます。
GDP統計
次にGDP統計の動きをみます。いきなりデータを見てもわかりにくいので、まず日本経済新聞などの記事を参考にします。
次に自分なりにGDP統計を解釈するために、内閣府の発表資料をみます。「結果の概要」
をの資料を見ます。データを入手する場合は、「統計表一覧」を使います。GDP全体の動きをみたら、消費、設備投資、公共投資、輸出など需要項目別に検討します。
先き行きについてはエコノミストの予測値を調査した、日本経済研究センターのESPフォーキャストが参考になります。
景気動向指数
最新版は内閣府の発表資料をみます。
景気動向指数の一致指数が前月に比べた方向を見ます。1年程度の動きをみて、景気全体の流れをつかみます。作成方法などについてある程度理解しておく必要があります。
同時に、景気ウオッチャー調査もチェックしておきましょう。こちらは、景気を敏感に感じ取れる、スーパーの店員やタクシーの運転手などに景気動向を尋ねたものです。
その他重要なデータ
他にも重要なデータがあります。景気ウオッチャー調査は、景気を敏感に感じ取る人にアンケートした統計です。景気の実感が統計になっているとともに、速報性があるのが魅力です。
統計がまとめて見られるサイト
経済指標ダッシュボードは日本経済新聞社が作成しているサイトで、さまざまな統計がビジュアルにわかります。
統計ダッシュボードは総務省が作成しているサイトで、さまざまな統計がわかりやすくみられるようになっています。
シンクタンクなど
シンクタンクのホームページには様々な分析が載っているので参考になります。
経済レポート情報は、発表された様々な経済レポートがチェックできます。人気の経済レポートがわかったり、キーワードごとに検索することもできたりして便利です。
経済指標の公表予定
最新の経済状況を分析する際は、どのような指標が発表される予定なのかも注意する必要があります。時間が許すのであれば、最新のデータが出た後に分析したほうが、精度があがります。経済指標の公表予定は、岡三証券の「経済指標カレンダー」が詳しくてわかりやすいです。
政府統計のリンク
政府統計へのリンクを挙げておきます。まずは様々なデータをじっくり見ることが分析の基本でしょう。