バレルって体積の単位だったんですね。
英語で樽という意味です。この計算法を覚えていれば、原油価格の長期データが得られ、分析の幅が広がります。
ニュースでは、さまざまな市場の原油価格が報道されていますが、日本に輸入されている原油にはさまざまな種類があります。実際にはどのくらいの値段になっているのでしょうか。貿易統計を使って計算してみましょう。
経済統計の使い方では、経済統計の入手法から分析法まで解説しています。

貿易統計から計算
使うのは、貿易統計の「原油及び粗油」の輸入金額と輸入数量、対ドル円レートです。貿易統計のデータ貿易統計検索サイトから入手できます。具体的な入手法は「品目別輸出入の入手法」を参考にしてください。対ドル円レートは、統計ダッシュボードから入手できます。
2022年3月について、計算結果をまとめると、以下の表になります。
| 原油輸入数量 | 原油輸入金額 | 対ドル円レート | 原油輸入価格 | 原油輸入価格 |
単位 | キロリットル | 1000円 | 円/ドル | 円/バレル | ドル/バレル |
2022年3月 | 1293370 | 865103767 | 121.64 | 10634.2 | 87.4 |
単位の変換が必要
まず、円ベースの原油価格を計算します。注意すべきなのは、数量の単位をキロリットルからバレルに直すことと、輸入金額の単位が1000円であることです。そこで以下の計算をします。
- 1キロリットル=6.2898バレルなので、原油輸入数量に6.2898をかけます。
- 輸入金額に1000をかけて、単位を円にします。
- 輸入金額を輸入数量で割って、1バレル当たりの原油価格(円ベース)を計算します。
以下をまとめると以下の式で原油価格の円ベースが計算できます。
$ 原油輸入価格(円/バレル)=\frac{ 輸入金額×1000 }{輸入数量×6.2898 } $
次にこれをドルベースに換算します。対ドル円レートで割ればよいです。
$ 原油輸入価格(ドル/バレル)=\frac{原油輸入価格(円/バレル)}{対ドル円レート(円/ドル)} $
これで、1バレル当たりの原油価格が計算でき、2022年3月は87.4ドルであることがわかります。
グラフの表示
グラフでみると以下のようになります。似たグラフですが、最近は円安の進行で円ベースでの上がり方が急になっています。



- 【計量経済学】検定のいろいろ|t検定やF検定のまとめ
- 【計量経済学】【R】関数形|直線でなくても予測できます。
- 【計量経済学】季節調整|周期的な変動を取り除いてわかりやすくする
- 【経済統計】【e-Stat】今年も宮崎市が1位、餃子ランキング|ランキングの作り方を徹底解説(動画あり)
- 【経済分析】【ディズニー】ミッキーマウスの著作権が切れる|プーさんにはホラー映画も