経済統計の使い方
統計初心者の社会人向けに、経済データの解説をしています。「まとめページ」をご覧くだされば、全体的な内容がわかると思います。
経済指標

消費者物価指数は特殊要因を除いて判断すべき―コアCPIやコアコアCPIが有用

最新の2002年8月の消費者物価指数は総合で前年同月比3.0%と高くなっていますが、総合指数で判断すると誤った分析をする場合があります。景気とは関係なく、天候の要因で上がったものや、国際情勢の影響で上がったものが含まれるためです。景気を反映した物価動向をみるには、コアコアCPIが適当です。

消費者物価指数は、消費者が買うものの値段を表しています。消費者が購入する財やサービスについて調査したものを約800品目から選ぶことができます。月次で得ることができます。

最近は原油価格や円安で、総合指数が上昇していますが、本当にインフレ圧力があるのかどうかは、景気と無関係に決まるものを除いたコアコアCPIで判断すべきです。

グラフは総務省の統計ダッシュボードから見られます。

コアCPIとコアコアCPI

消費者物価で重要なのは、コアCPIと呼ばれるものです。生鮮食品を除いた総合指数のことです。生鮮食品は、景気とは関係なく、作物の取れ具合の違いによって大きく変動します。原油価格などのエネルギー価格も国内景気と無関係に決まるため、生鮮食品とエネルギーを除いた指数も景気判断に用いられます。そのほか、食品(酒類を除く)とエネルギーを除いたコアコアCPIも計算されています。

コアCPIコアコアCPIの違いはエネルギー価格が入っているかどうかですが、食品の扱いも違います。コアCPIの場合は生鮮食品を除きますが、コアコアCPIの場合はそれより広い食品(酒類を除く)を除いています。それらのウエートは以下の通りです。コアCPIは品目ウエートで96%以上ですが、コアコアCPIになるとウエートでは7割程度のものになります。

項目ウエート
総合10000
コアCPI9604
コアコアCPI6781
生鮮食品396
食品(酒類を除く)2507
食品2626
酒類119
エネルギー712

寄与度分解

消費者物価指数の分析で重要なのは、どのような品目の影響で物価が上昇または加工しているかです。また、品目ごとの伸び率だけでは、物価全体に対する影響度がわかりません。そこで寄与度を使います。寄与度は、総合指数の伸び率に対して、ある品目がどの程度寄与していたかがわかるものです。ある品目Aに関する伸び率の寄与度は以下の式で計算できます。

$ 寄与度=\frac{ ((Aの当月の値-Aの前年同月の値) * \frac{Aのウエート }{総合指数のウエート=10000 } }{ 総合指数の前年同月の値 } $

2022年4月までの消費者物価指数の伸び率を寄与度分解すると、全体では前年同月比2%上昇していますが、酒類を除く食料、エネルギー価格、情報通信関係費を除くと、同0.5%上昇なので、経済が過熱しているわけではありません。

通常はコアコアCPIの数値は計算されているので、簡単に寄与度分解できますが、情報通信関係費が大きく動いているので、その分を除いて考えます。

ウエート表など

寄与度分解する場合には、品目別にウエートが必要になります。また、単純にそれぞれの品目がどの程度のウエートを持っているのかを調べるのは面白いものです。ウエートなどは以下の資料に載っています。

総務省統計局2020年消費者物価指数の解説

総務省統計局大まかなウエート

総務省統計局細かいウエート

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