経済統計の使い方
統計初心者の社会人向けに、経済データの解説をしています。「まとめページ」をご覧くだされば、全体的な内容がわかると思います。
経済統計

【経済統計】鉱工業指数|データ入手法も徹底解説

さくら

生産指数が有名ですね。

かえで

製造業だけの指数ですが、景気に連動して動くため、IIP(生産指数)を見れば景気がわかるという人もいます。

経済産業省が調査する月次の統計で、景気動向を見るためには非常に重要な統計です。鉱工業生産指数は、以下の指数から成り立っています。生産したものは基本的には出荷されますが、出荷されないものは在庫になります。

経済統計の使い方では、経済統計の入手法から分析法まで解説しています。

【経済統計】経済統計一覧 経済指標を分野ごとにまとめています。 経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。 1.経済統計...

生産・出荷・在庫指数

指数解説
生産指数生産量を調査したもの
出荷指数生産したもののうち、出荷したものの量
在庫指数生産したもののうち、生産者の元に残っているもの
在庫率在庫量/出荷量
稼働率指数生産数量/生産能力
生産能力指数設備をフル稼働した時の生産数量
生産予測指数先行き2ヵ月の生産量の見通しを調査したもの

鉱工業生産指数は、基本的に製造業で生産されたモノの量を把握したものです。

生産したものは基本的には出荷されますが、出荷されないものは在庫になります。生産したものは、出荷か在庫になります。景気局面によって、出荷と在庫の比率は変わってきます。在庫循環と呼ばれるものです。循環を右上から左回りに考えてみましょう。ここが景気が最も良い状態(景気の山)になります。その後…

  • 生産が減りつつ、在庫が増える(在庫積み上がり局面)
  • 生産が減りつつ、在庫も減る(在庫調整局面)
  • 生産が増えつつ、在庫も減る(意図せざる在庫減局面)
  • 生産が増え、在庫も増える(在庫積み増し局面)

という循環を繰り返すというものです。在庫循環図を書けば、現在の景気がどの局面にあるかを理解できることになります。

在庫循環分析の詳細は、鉱工業指数のサイトの、「指数の作成と利用(第8版)」第6章鉱工業指数を用いた経済分析にあります。

月例経済報告では、在庫循環図の代わりに、「出荷・在庫ギャップ」というグラフが掲載されています。出荷の前年同期比に在庫(逆符号)の前年同期比を積み上げて、棒グラフにしたものです。在庫循環を表すという意味では同じ役割を果たします。いくつかの循環を一つのグラフで見るには、「出荷・在庫ギャップ」の方が見やすいです。

【経済統計】生産をみるために必要な統計ベスト3|生産指数、稼働率指数、出荷・在庫ギャップ 製造業の生産活動をみるために必要な統計のベスト3です。経済産業省は鉱工業指数を発表しており、結果の概要(最新結果の概要)に豊富な資料...

稼働率指数・生産能力指数

稼働率は、生産設備をフル稼働させた時を100%とした時に、実際の設備がどの程度稼働しているかを表したものです。この動きは景気の動きを反映します。

生産能力指数を長期的にみると、その産業がどの程度設備を充実させているのかがわかります。

生産予測指数

生産予測指数は、企業に実績値の1ヵ月後、2ヵ月後の数値を聞いたものです。企業は生産計画を立てているので、およその数値を答えることができます。しかし、さまざまな要因で見通しは変わるので、予測指数がぴったり実現するわけではありません。それでも、今後の生産活動を占ううえでは貴重な情報を提供してくれます。

業種別分類

業種別分類は、日本産業分類をベースにしています。ただ、鉄鋼業、非鉄金属工業をまとめて「鉄鋼・非鉄金属工業」に、はん用機械工業、業務用機械工業をまとめて「汎用・業務用機械工業」に、電気機械工業と情報通信機械工業をまとめて「電気・情報通信機械工業」としているなどの違いがあります。

財別分類

鉱工業指数では、業種分類のほか、財別分類という分類でも発表しています。個別品目を以下の財のいずれかに当てはめて集計したものです。

GDPの内訳の消費や投資に当たるのが最終需要財で、中間投入に分類されるのが生産財です。また、景気動向指数には、

  • C1 生産指数(鉱工業)
  • C2 鉱工業用生産財出荷指数
  • C3 耐久消費財出荷指数
  • C5 投資財出荷指数(除輸送機械)

と、一致指数だけでも、4つの鉱工業指数が使われています。

最終需要かどうか需要の性質詳細性格具体例
最終需要財投資財資本財設備投資印刷機械
建設財建設投資鉄骨やセメント
消費財耐久消費財耐用年数が長い製品テレビや携帯電話
非耐久消費財耐用年数が短い製品食料品や衣料品
生産財中間投入タイヤや石炭

参考資料

経済産業省のホームページ内の統計解析室お役立ち資料集にさまざまな解説があります。

在庫循環図の書き方

データは、経済産業省の鉱工業指数からダウンロードします。

統計表の一覧(データダウンロード)を選びます。在庫循環図は、生産指数と在庫指数の前年同期比を使います。在庫循環が比較的明確にわかる2014年7-9月期から2018年7-9月期について作ります。

データには、前年同月比がないので、計算する必要があります。データは2013年7-9月期から2018年7-9月期まで必要になります。原指数を使います。鉱工業全体の指数をつかうので、業種別、財別、品目別、いずれのシートでも同じです。

ダウンロードすると、以下の「利用上の注意」が載っています。生産指数出荷指数在庫指数(残高)在庫指数(平均)在庫率指数のデータがシート別にあります。四半期に関しては、2013年7-9月期は2013Q3と表されることがわかります。

生産指数在庫指数(残高)から、「鉱工業」のデータを抜き取って、一つのファイルにします。対象期間だけを抜き出すと以下の表になります。

この表をコピーして、形式を選択して貼り付け行と列を入れ替えるを選び縦長にして、前年同期比を計算します。(前年同期比=当期ー前年同期)/前年同期×100 です。

このデータを使って散布図を作ります。挿入グラフ散布図(直線の補助線付き)を選ぶとできます。時間の列は選ばず、データの2列だけ選ぶのがコツです。

【エクセル】散布図グラフ|グラフで最小二乗法が計算できる エクセルで散布図を描く方法を説明します。回帰分析の結果を載せることもできるので、手軽に回帰分析をしたい人にはこの方法が最も簡単です。...

エクセルのグラフの書式設定で以下の操作をすると、できあがりです。

  • 縦軸、横軸とも最小値を-8、最大値を8とする。
  • 縦軸、横軸ともラベルを「下端/左端」にする。
  • 挿入→テキストで文字を張り付ける。
  • 挿入→図形→直線で対角線に直線をひく。
じゃらんnet

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA