平均値の差の検定のうち、母分散が等しくない場合です。
平均値の差の検定には、
- 研修前、研修後など対応のある場合
- 母分散が等しい場合
- 母分散が等しくない場合
の3種類が考えられますが、この記事で扱うのは3番目です。
経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。
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平均値の差の検定(母分散が等しくない場合)
2つの平均値に差があるかどうかの検定です。
今回の条件は、母平均は等しいが、母分散が等しくない場合です。
同じ母平均の母集団A、Bからそれぞれ大きさ$n_A$、$n_B$の標本を抽出したとします。このとき、Tは自由度ν(ニュー)のt分布に近似的に従います。
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ただし、ν(ニュー)は以下の式で求めます。わかりにくいですが、一番下の文字は$n_A$から1を引いたもの、$n_B$から1を引いたものです。
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エクセルでの計算は簡単
等分散を仮定した時と同じ例を、エクセルで計算してみましょう。
金融業と製造業の年間収入に差があるかどうかを5%水準で検定する場合を考えます。データは以下の通りとします。金融業から10人、製造業から10人をランダムに選んできて年収を聞いたデータです。
2つの母集団の分散は異なるものとします。
金融業 | 製造業 |
744 | 672 |
684 | 708 |
780 | 672 |
720 | 684 |
756 | 696 |
696 | 684 |
684 | 720 |
720 | 660 |
720 | 684 |
696 | 660 |
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エクセルで平均値の差の検定をする場合は、分析ツールを使います。データ→データ分析で、分析ツールが表示されます。分析ツールのなかのt検定:等分散を仮定した2標本による検定を選びます。
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変数1と変数2を指定します。ラベル(変数名)がある場合はラベルにチェックします。棄却域は5%となっています。
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以下のように出力されます。t値は3.033899です。5%水準の棄却域は両側検定で2.13145が境界値となります。この結果から、帰無仮説は棄却できることがわかります。つまり、金融業の賃金は製造業の賃金より有意に高いということです。
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