経済統計の使い方
統計初心者の社会人向けに、経済データの解説をしています。「まとめページ」をご覧くだされば、全体的な内容がわかると思います。
経済学

【経済学】逆S字型の費用曲線|協力効果と混雑効果

逆S字型の費用曲線はどのようなものかを説明します。

逆S字型の費用曲線は、S字型の生産関数の費用曲線に対応しています。

生産量が少ないときは、協力効果で限界費用は小さいですが、生産量が多くなると混雑効果で限界費用が徐々に大きくなります。この費用曲線は逆S字型になります。

経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。

【経済学】経済学のまとめ 経済学の基本的な考え方について説明しました。 経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。 ...

S字型の生産関数

生産関数には、限界生産力の逓増限界生産力の逓減を想定する場合があります。この場合、生産関数はS字型になります。

短期の生産関数では、工場などの設備を所与として、労働者数を増やしたときに生産量がどのようになるかを考えます。

イタリアレストランを想定し、キッチンの大きさが一定で、シェフの数を増やして、パスタがどのくらい生産できるかを考えましょう。シェフが1人で働いている場合より、2人の方が、パスタの限界生産力(1単位の追加労働量による生産の増加分)が上がることが考えられます。1人だとすべての工程を自分でやる必要がありますが、2人いれば分業ができて効率的に生産ができるためです(協力効果)。つまり、シェフの数が少ないときは、労働量が増えるにつれ限界生産力が上がると考えられます。

一方、シェフの数が5人や10人になってくると、パスタの生産量は多少増えるかもしれませんが限界があるでしょう。労働量が増えるにつれ限界生産力は減っていくと考えられます(混雑効果)。

これをグラフに書いてみます。横軸が労働力(シェフの数)、縦軸が生産量(パスタの数)です。労働量が少ないときは限界生産力が逓増し、傾きが急ですが、労働量が多くなると限界生産力が逓減し、S字型の生産関数になります。

逆S字型の費用曲線

S字型の生産関数について、総費用関数を描くと、逆S字型になります。費用曲線の場合は、横軸が生産量で縦軸が費用を表します。生産量が少ないときは、限界費用(1単位生産するときの費用)は少なくてすみますが、生産量が多くなるにつれ、限界費用が大きくなっていきます。

グラフでいえば、生産量が少ないときは傾きが急ですが、その後次第に急になってくることで表されます。

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