経済統計の使い方
統計初心者の社会人向けに、経済データの解説をしています。「まとめページ」をご覧くだされば、全体的な内容がわかると思います。
景気指標

【経済統計】法人企業景気予測調査|法企より発表が早い

さくら

法人企業統計とは違うんですか?

かえで

違います。しかし、法人企業統計、短観とダブり感がありますね。

景気予測調査は、財務省と内閣府が共管する調査です。企業に景況感を聞いているほか、売上高、経常利益、設備投資額なども調査しています。共管となっているのは、2006年に内閣府の「法人企業動向調査」と財務省の「財務省景気予測調査」を統合したためです。

経済統計の使い方では、経済統計の入手法から分析法まで解説しています。

【経済統計】経済統計一覧 経済指標を分野ごとにまとめています。 経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。 1.経済統計...

発表時期が早い

日銀短観と似た調査ですが、違いがあるとすると、調査時期です。12月以外は、法人企業景気予測調査の方が早く発表されます。

調査対象期法人企業景気予測調査日銀短観
1-3月期3月下旬4月上旬
4-6月期6月下旬7月上旬
7-9月期9月下旬10月上旬
10-12月期12月下旬12月中旬

このため、日銀短観を予測するために利用することができます。内閣府からは、「法人企業景気予測調査の景気感応度と短観への先行性について」というレポートが発表されています。

「上昇」か「下降」か

景況感については、BSIで示していて、前四半期に比べて「上昇」と回答した企業の割合から「下降」と回答した企業の割合を差し引いたものです。注意すべきなのは、景気の方向を聞いていることです。日銀短観は景気が「良い」か「悪い」かを聞いており、その意味では、以下の式が成り立つことになります。

$ 日銀短観の業況判断DIの前期差=法人企業景気予測調査の景況判断BSI $

大企業・製造業については以下のようになります。

短観は業況判断DIの前期差、景気予測調査は景況判断BSI。大企業・製造業

ダブり感も強い

法人企業景気予測調査と日銀短観は調査項目が比較的似ています。エコノミストとしては、さまざまな情報が入手できてありがたいですが、企業にとっては、同じような時期に似たような調査が行われており、負担が増えることになります。

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