公的統計の入手先として、お勧めしているのは、「統計ダッシュボード」です。
しかし、それよりも前に、日本経済新聞社は「経済指標ダッシュボード」を公表しています(2016年6月23日公開)。ビジュアルや操作性に関しては「経済指標ダッシュボード」の方が優れています。違いは、データの量でしょう。総務省の「統計ダッシュボード」の系列数5000系列と非常に多いです。
経済統計の使い方では、経済統計の入手法から分析法まで解説しています。
洗練された画面
日本経済新聞社は、インフォグラフィックスに力を入れており、画面はきれいです。また、データをエクセルで入手することができます。
考え抜かれた系列
「統計ダッシュボード」では、系列を厳選していないので、水準でみるとほとんど変化のないデータが表示されることがあります。以下は一例です。「スケールはゼロから」を重視しているようです。変化のところだけ捉えて、誤った解釈することを懸念してのことだと思いますが、それなら、伸び率表示にすべきだと思います。
一方、「経済指標ダッシュボード」では見栄えの悪いグラフはありません。水準でみて意味のないデータは、スケールを変えるか、伸び率で見るようになっているためです。使い勝手も、日本経済新聞社の「経済指標ダッシュボード」の方が良いです。
デメリットとしては、拡張性の低さだと思います。表示されているデータをとるには便利ですが、さらに深堀りした関連指標を入手することはできません。カスタマイズすることもできません。
データが豊富
「経済指標ダッシュボード」は「統計ダッシュボード」に系列数では負けるとはいえ、豊富なデータがあります。以下の項目に最大で8系列のグラフが表示されます。
- GDP
- 短観・法人企業統計
- 景気動向指数
- 消費
- 住宅・建設投資
- 機械受注・稼働率
- 鉱工業指数
- 産業
- 労働
- 貿易
- 国際収支
- 企業倒産
- 物価
- 金融
- 株式・円相場
- 日経インデックス
- 米国指標
独自指標も
日経インデックスという独自指標があり、米国指標も収納されているところが強みです。
日経インデックスは、日経が独自に算出している指標です。
- 日経景気インデックス
- 日経通貨インデックス (円 2015=100)
- 日経公社債インデックス
- 日経産業天気インデックス (全産業)
- 日経産業天気インデックス (製造業)
- 日経産業天気インデックス (非製造業)
また、米国指標として以下があります。
- 実質成長率(前期比)
- 企業収益(税引き前)
- 企業収益(税引き後)
- 非農業部門雇用者増減数
- 失業率
- 卸売物価指数(前年比)
- 卸売物価指数(前月比)
- 消費者物価指数(前年比)
- 消費者物価指数(前月比)
まとめ
日本経済新聞社の「経済指標ダッシュボード」を総務省の「統計ダッシュボード」と比べてみてきました。
「経済指標ダッシュボードのメリット」
- 画面が洗練されている
- 操作が簡単で、すぐにエクセルのデータも得られる
- 日経独自のインデックスや米国指標が取れる
「経済指標ダッシュボードのデメリット」
- 系列数が少ない
- カスタマイズすることはできない
ということになると思います。両者の良さを理解して、両方活用するのが良さそうです。
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