経済統計の使い方
統計初心者の社会人向けに、経済データの解説をしています。「まとめページ」をご覧くだされば、全体的な内容がわかると思います。
経済分析

利上げの効果

さくら

金利を上げることって、そんなに影響があることなんでしょうか。

かえで

設備投資への影響が大きいですね。

FRB(米連邦準備理事会)は、フェデラルファンドレートの誘導水準を0.5%上げることを決めました。利上げは景気に対してどのような効果があるのでしょうか。

利上げしたのはフェデラルファンドレートという金融機関が一日だけ借りる最も期間の短い金利です。この金利を上げることによって、次々と期間の長い金利も上がります。国債利回りなどの長期金利も上昇します。また、預金金利や貸出金利も上昇します。それぞれの金利の影響をみてみましょう。

預金金利の上昇

預金金利の上昇は、家計にとっては利子所得が増えるので消費の増加要因になります。しかし、米国では資産は預金よりも株式などが多いので、増加効果は限られるでしょう。

貸出金利の上昇

貸出金利の上昇は、設備投資の減少要因となります。設備投資の減少はGDPを減少させる要因になります。

家計では、長期に借り入れる必要がある住宅投資には減少要因となります。

長期金利の上昇

長期金利の上昇は、金融機関などの資産運用行動に変化をもたらします。国債など債券の利回りが高くなるので、株から債券へと資金が移動する可能性がでてきます。株価が下落する要因になるでしょう。株価の下落は、逆資産効果を通じて、消費や設備投資の減少要因になります。

一方海外との金利に比べて、米国の金利が高くなるので、ドルを買おうという投資家が増えて、為替レートはドル高になります。日本にとっては円安ということです。

ドル高は、米国にとっては輸出減、輸入増の要因となります。

まとめると以下のようになります。基本的には需要を減少する方向に作用します。最も影響が大きいのは、貸出金利上昇に伴う設備投資の減少でしょう。それでも金利を上げるのは、需要を減少させることでインフレを抑え込もうという意図が大きいということです。

経路需要項目増減
預金金利上昇消費増加
長期金利上昇→株価下落消費減少
貸出金利上昇住宅投資減少
貸出金利上昇設備投資減少
長期金利上昇→株価下落設備投資減少
長期金利上昇→ドル高輸出減少
長期金利上昇→ドル高輸入増加

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