経済統計の使い方
統計初心者の社会人向けに、経済データの解説をしています。「まとめページ」をご覧くだされば、全体的な内容がわかると思います。
経済分析

原油価格上昇が経済に与える影響

原油は、ガソリンなどに使うほか、さまざまな工業製品の原料となっており、景気に大きな影響を及ぼします。

原油価格は火力発電の原料になるため、エネルギー価格の変動に影響を与えます。そのほか、化学製品の原料になっているため、さまざまな製品の価格に影響を与えます。

原油価格変動の原因

原油価格は中東情勢に大きく左右されます。過去石油価格が大きく上昇したのは、第4次中東戦争、イラン・イラク戦争、湾岸戦争など中東情勢と大きくかかわっています。また、最近経済成長が目覚しい国が増え、国際的にエネルギーの需要が増えているのも原因です。

2022年にはロシアがウクライナに侵攻し、エネルギー供給が滞ることが懸念されて、原油価格が高騰しました。

原油価格の変動の影響

原油価格の動向が重視されるのは、原油がさまざまな製品の原料となっているからです。原油価格の上昇は、原油から作られるさまざまな製品の値段を上げることになります。

直接的影響は3%分 

原油価格の影響が家計に直接かかわる部分は、消費者物価指数のウエートをみることでわかります。電気代、都市ガス代、プロパンガス、灯油、ガソリンがエネルギーのウエートです。2020年基準のウエート表でみるとエネルギーのウエートは1万分の712で、約7%となります。

また、2020年度のエネルギー需給実績によると、エネルギー供給に占める石油の割合は  36.4%なので、原油価格上昇の影響は、7%×40%で、2.8%だということがわかります。約3%分だということがわかります。

ガソリン価格が上昇

産業を通して影響する部分もあります。原油は、精製することでガソリン、灯油、ナフサなどに分解されます。ガソリン価格が上がれば、自動車を使って活動している産業の費用に影響します。タクシー宅配便などは直接影響を受けますし、さまざまな製品の輸送コストも上昇することになります。

石油精製のわかりやすい図解は、石油化学工業協会の「石油化学製品はこうしてつくる」をご覧ください。

納豆やクリーニングにも影響

ナフサはさまざまな石油化学製品の原料となります。プラスチックや合成繊維、合成ゴム、洗剤や石鹸などが作られています。このため、原油価格の上昇は、納豆やクリーニング代の上昇にも波及します。納豆の容器の原料は石油化学製品ですし、大豆を蒸すためにも石油が使われます。クリーニングにも関係があります。クリーニングするためのボイラーの燃料のほか、ハンガービニール袋も石油化学製品です。

原油を精製することで、さまざまな石油製品ができます。重油や軽油など、種類によって沸騰する温度が違うので、徐々に温めていくと、さまざまな油種に分けることができます。

  • 灯油
  • ガソリン
  • プロパン
  • ジェット燃料
  • 軽油
  • 重油
  • アスファルト
  • 硫黄
  • ナフサ

このうち、ナフサは、さまざまな石油化学製品の原料になります。非常に幅広い製品が作られます。ナフサを分解して、以下のような製品が作られます。

エチレンプロピレンブタジエンベンゼントルエンキシレン
プラスチック合成繊維原料合成ゴム塗料原料・溶剤合成洗剤、界面活性剤原料その他
ポリエチレン
ポリプロピレン
塩化ビニル樹脂
ポリスチレン
エチレングリコール
テレフタル酸
アクリロニトリル
カプロラクタム
スチレン・ブタジエンゴム
ブタジエンゴム
クロロプレンゴム
アルキド樹脂
ポリウレタン
メチルエチルケトン
酢酸エチル
ブタノール
アルキルベンゼン
高級アルコール
エチレンオキサイド
自動車
家電製品
包装・容器
日用品・雑貨
衣料
インテリア
自動車
日用品
自動車
鉄道
建物
木工
洗剤
せっけん
肥料
農薬
医薬品

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