世界経済の分析をするには、基本的には日本経済と同じように各国の統計を見ていけば良いです。ただ、国の数だけ経済統計があり、それらをすべて分析するのは大変です。そこで、国際機関の見通しを使うのが便利です。経済開発協力機構(OECD)、国際通貨基金(IMF)、アジア開発銀行(ADB)などの見通しを参考にすることができます。
IMFの世界経済見通し
IMFは、国際的な通貨システムを守るための組織で、各国の統計を集めて統計集を作っているほか、経済危機に陥った国の救済なども行っています。米国のワシントンに本部があります。毎年春と秋に、翌年度の世界経済見通し(World Economic Outlook)も発表しています。World Economic Outlook の専用のページがあります。トップページの見出しのPublications から World Economic Outlookを選びます。
以下の内容を見ることができ、情報量が豊富です。
- OVERVIEW 概要
- PROJECTION TABLE 予測表
- CHAPTERS IN THE REPORT 章立て
- STATISTICAL APPENDIX 統計関連の注
- GDP GROWTH GDP成長率
- DATA TOOLS データツール
- VIDEOS 動画
データを入手するには、DATA TOOLS を選びます。データを選ぶには、左端のデータベース(日付+DATABASE)を選びます。
たとえば、G7の財政収支を選ぶ場合は、
By Countries (country-level data)
→MAJOR ADVANCED ECONOMIES (G7)
国のリストが出てくるので、CONTINUE をクリック
→分類
GOVERNMENT FINANCE
→項目
General government net lending/borrowing Percent of GDP を選択
→CONTINUE
をクリック
表の出力期間を決定
Start year 2010 End year 2027
→PREPARE REPORT
→DOWNLOAD REPORT
タブ付きテキストでダウンロードされます。加工すると、以下のグラフが書けます。
OECDの世界経済見通し
OECDは、別名「先進国クラブ」とも呼ばれる先進国の組織です。本部はパリにあります。各国の統計を比較可能な形で集めたり、毎年5月と11月に世界経済見通し(エコノミック・アウトルック)を作成したりしています。
ADBの経済見通し
アジアではアジア開発銀行(ADB)の見通しがアジア開発見通し(Asian Development Outlook)として定期的に発表されます。アジア各国の見通しが載っています。