こんにちは！インターン生のかん奈です。清掃員として、BiSHについて書いてみます！
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BiSHとは
BiSHは、日本のアイドルグループです。BiSHの先駆けとなるBiSが解散したことをきっかけに、BiSH所属芸能事務所WACKの代表取締役社長、渡辺淳之介の『BiSをもう一度始める。』という一声から結成されたグループです。
メンバーは、以下の6人です。
- おくりびと担当 アイナ・ジ・エンド。
- 見た目は真面目、中身は悪女これでも彼氏は２人まで担当 セントチヒロ・チッチ。
- あまのじゃく担当 モモコグミカンパニー。
- メガネ担当 ハシヤスメ・アツコ。
- 無口担当 リンリン。
- 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 担当 アユニ・D
地下アイドルからスタートした彼女たちが、今ではアメトーークで特集が組まれるほどの人気になったわけが気になりました。ここでは、飛ぶ鳥を落とす勢いの彼女達の快進撃や苦悩を掘り下げていきます。
５人から4人へ
BiSHはデビュー前までは5人グループでした。ユカコラブデラックスというメンバーがいましたが、『考えすぎが原因。』と公式発表があり、デビュー前に脱退しました。
2015年1stアルバム『Brand-new idol SHiT』で、デビュー初めてのワンマン・ライブを開催しました。会場は、中野heavy sick zeroです。キャパ１００人ほどの小さなライブハウスで、即日完売しました。
ハグミィーというメンバーとアイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチ、モモコグミカンパニーの４人でスタートしました。なおデビュー当時の彼女たちのキャッチコピーは、『新生クソアイドル』です。そのため、ファンはそのクソを掃除する人という意味でBiSHのファンの名称を清掃員と呼びます。
清掃員として解説します
実際に私が清掃員として、清掃員仲間と体験した事や、音楽専門家などの評価をもとに、BiSHの歴史をさかのぼります。
キャパ100人の地下アイドルが1万7千人の幕張メッセを埋められるようになるまでの苦悩を雑誌のインタビューなどを参考に深堀りしていくのが目的です。
彼女たちの魅力はなんといってもライブです。そしていつでもアイドルの常識を覆してきました。実際にどんなことをしてきたのか、箇条書きにしてみました。
- スクール水着でライブ。そしてステージダイブ
- デビュー曲『BiSH-星が瞬く夜に』のMVで馬糞を投げられる
- 24時間ライブ
- 13回連続で同じ曲を歌う
- CDが299円で売り出される
- 道頓堀ゲリラライブ
- メジャーデビュー曲が99秒
2015年の８月にはハシヤスメ・アツコとリンリンの２名が加入し、現在のメンバー６人のうち、５人がBiSHに集う事となりました。そして２０１６年１月、新生クソアイドルBiSHはavexから晴れてメジャーデビューすることが、恵比寿リキッドルーム(キャパ９００人)で発表されました。
キャッチコピーも、『新生クソアイドル』はavexに失礼ということから『楽器を持たないパンクバンド』に変わりました。しかし、また問題が起きたのです。BiSHのリーダー、ハグミィーが脱退したことです。メンバーへのダメージは大きく、脱退を考えるメンバーも多くいました。BiSHにはどんよりとした空気が流れました。そこで、芸能事務所WACKの社長渡辺淳之介は、オーディションを実施し、加入したのが、アユニ・Dです。そして現在のBiSHがようやく完成したのです。ここでそろったのが以下の6人です。
- アイナ・ジ・エンド
- セントチヒロ・チッチ
- モモコグミカンパニー
- ハシヤスメ・アツコ
- リンリン
- アユニ・D
K-POPの世界でも、脱退や加入を繰り返しているグループはあまり売れません。ファンがつきにくいという傾向があります。しかし、そんなジンクスをBiSHは破りました。
正直、女の子がスクール水着でステージダイブなんて耐えられるのでしょうか。MVで馬糞を投げつけられ、そんな苦痛に耐えられるのでしょうか。辞めたくなかったでしょうか？
のちにアユニ・DがインタビューでBiSHが好きか？という答えに対してこう答えています。
私はBiSHのことを好き嫌いで考えたことがなくて、私は好きとか嫌いでBiSHをやっていません。私は今、BiSHが生活の一部、人生の一部になっています。「好き」とかの次元ではないです。衣食住と同じ感覚でBiSHをやっています。
アユニ・D
また、ファンが一人もいなくても音楽を続けているかという問いに対して、アイナ・ジ・エンドは
わたしは、人目に触れずとも振付をしたり踊ったり曲を作ったりは世に出さずともやってると思う。
アイナ・ジ・エンド
と語ります。彼女たちの生きる道はBiSHしかないのです。だからつらいことも乗り越えられたのだろう、そう感じました。
Less Than SEX TOUR FiNAL”帝王切開” の成功
そして、2016年１０月日比谷野外大音楽堂『Less Than SEX TOUR FiNAL”帝王切開”』。BiSHの伝説のライブとも言われているライブが行われました。新メンバーを含めた現在のBiSH６人が初めて一つになれた瞬間です。
それまでは、ハグミィーが脱退したことを引きづっているメンバーもいました。しかし、このライブをきっかけにBiSHは一つになり、BiSHは再スタートしました。
そのライブを音楽ライター平賀哲雄はこう語っています。
＜もう彼女たちはBiSの後継者でも、他の何者でもない……＞
これだけのライブを見せられた直後にアレコレ難しい事を言う者などいない。それは彼女たちがすべての否定的な言葉と対峙しながらも、時にはもう無理だと、私には続けられないと自分の弱さに負けそうになりながらも、それでもBiSHを諦めなかった結果だろう。
もう彼女たちはBiSの後継者でも、他の何者でもない。自らの意思とその足で未来を切り開いていく、そしていつしか新時代のポップアイコン/ロックアイコンとして伝説となるグループ、それがBiSHだ。BiSHの伝説はBiSHが創る。そのストーリーにぜひとも注目してほしい。
平賀哲雄
そして、WACKの社長は、BiSHの最大動員数がまだ２０００人から３０００人程度の時に、キャパ１万２千人の横浜アリーナを押さえました。これが失敗すれば、所属芸能事務所WACKやBiSHが終わります。だが、社長は彼女たちの可能性を信じました。横浜アリーナのチケットは即日ソールドアウトしたのです。
実は、BiSHの先駆けとなるBiSが横浜アリーナを埋め尽くせないで、惜しまれながら、解散してしまいました。その時に最後にBiSが放った言葉は
孤独が運命さ
BiS
でした。だが、BISHは
孤独が運命なんて言葉虚しいな。そう思わない？
BISH
と語り、BiSが成し遂げられなかった横浜アリーナを埋め尽くしましたのです。歴史を塗り替えた瞬間です。
デビュー当初はBiSを超えるのが最大の目標でした。所属芸能事務の社長、渡辺は「過去の栄光にすがらなきゃいけない」と言っていました。BiSHはいわばBiSの焼き直しとして始まったのです。プロジェクトの進行を記録として残すため音楽サイトの「OTOTOY」で始まった連載のタイトルも「二番煎じは本物を超えられるか？」だった。このタイトルにしたのは、二番煎じが本物を超えた試しが無いと感じていたからです。そんな中、BiSHはBiSを大きく超えました。
この勢いは誰にも止められません。2018年１２月。『日本レコード大賞』で新人賞を受賞しました！。
これだけでは終わりません。ついに幕張メッセを埋め尽くしました。自己最高となる１万７千人の動員です。そして、2019年１０月１０日バラエティー番組『アメトーーク！』で、「BiSHドハマり芸人」がテレビ朝日系で放送されました。これまでに『アメトーーク！』でアーティスト単体で取り上げられたのは、長渕剛、Perfume、B’z、Mr.Childrenの4組のみです。その中に、BiSHが入ったのです。これは、本当にすごい事です。当時まだ、知名度が十分ではなかったBiSHが、日本を代表するアーティストに仲間入りしました。この番組の反響はとても大きかったです。これをきっかけにさらに知名度が上がり、この番組でBiSHを好きになった人を『アメトーーク！新規』と呼びます。
コロナのなか、FOR LiVE -BiSH BEST-の発売
ここまで順調に進んできましたが、また彼女たちに試練が襲いました。2020年新型コロナウイルスが彼女達を苦しめました。ライブが出来なくなり、予定されていたフェスがすべて中止になりました。清掃員の心には穴が空きました。
しかし、彼女達はそんな時だから出来ることを見つけました。それは、７月８日のベストアルバム「FOR LiVE -BiSH BEST-」の発売です。
ここで得た利益を全て全国のライブハウスに寄付しました。このプロジェクトは大成功を納め、オリコン週間アルバムランキングで初の1位を獲得。BiSHのこの活動のおかげで助かったライブハウスが多く生まれました。新型コロナウイルスが流行している間、BISHは確実にファンを増やしていきました。
そして、7月22日にリリースメジャー3.5thアルバム「LETTERS」は初週55,959枚を売り上げ、同じく週間アルバムランキングで１位になりました。アルバムのメイン曲『LETTERS』の歌詞は、
すべて届けるよ胸の中
ダサい姿も全部晒そう
あなたいるこの世界守りたいと叫ぶ
見えない明日は待たない
今もあなたの無事を祈る
絶対距離は遠くないんだ
今も近くにあるんだ
LETTERS
というものです。新型コロナウイルスで会えなくなってしまったが、いつも隣にいる、というメッセージが込められています。
そして、２０２０年 １２月２４日に有観客ライブ『REBOOT BISH』が国立競技場で行われ、３３２日ぶりに清掃員とBiSHは涙の再会を果たしました。
メンバー、モモコグミカンパニーは
一人一人苦しいときもあったと思いますが、何よりあなたの心を殺さずにこの日まで生き抜いてくれて会えて本当に嬉しかったです。ありがとう。
モモコグミカンパニー
と語り、アユニ・Dは
待っていてくれて本当にありがとう、私もずっとこの日を待っていました。 また何度も何度もこうしてただいまとおかえりができますように、お元気で
アユニ・D
と清掃員に挨拶をしました。再スタートをしたBiSHに、怖いものなどないはずです。
キャパ１００人から初め、陰キャの集まりと呼ばれてきたBiSHがここまで大きくなるとは誰も想像出来なかったでしょう。実は、メンバーのほとんどが、学生時代いじめに遭ってきました。だからこそ、彼女たちが書く歌詞が心に刺さります。
リンリンが作詞した「beautifulさ」では
どんなとげとげな日でも
息してれば
明日は来るんだし泣いた後に
咲くその花は
so beautiful
beautifulさ
リンリン
という背中を押してくれるような歌詞があります。
また、モモコグミカンパニーが作詞した「Nothing.」では
もうなんにも失いたくはないけれど
なにができるかな
無い物ねだりでも
ゼロではないはずだからこの先の空へ
幻想の中ひとり
あがいてたってこっそり
いつも叫び続けてるのに
何もかもがつまらない夜
でもあの日の夢見てる
モモコグミカンパニー
といういつもがむしゃらに生きるBiSH自身の思いを歌詞にしたものです。
モモコグミカンパニーが作詞を手掛けた「JAM」では
自分の価値どこにあるのだろう
探していた 握りしめ
苦しめていた 狭い部屋の片隅
今までちゃんと僕は
間違わずにいれていますか？ 正解なんてないのはきっと
分かっているはずだけど
モモコグミカンパニー
この曲は、BiSHのメンバーが、弱い自分と向き合っている本当の姿をありのままにさらけ出した曲です。この様な曲は彼女たちが辛い経験をしたから書けるものであり、だからこそ、より一層思いが伝わるのだと思います。
もともとクラスの端にいる目立たない人が、いくつもの試練を乗り越えて今は、誰かに勇気を与える存在になっている。だけど、これはシンデレラストーリーではないと思います。すべて彼女たちが血眼になりながら、いくつもの試練を乗り越え、切り開いた道です。そして、BiSHが他と違うところは、圧倒的な個性だと思います。
グループでよくあるのは、どれも同じ顔で区別がつかないということです。でも、BiSHにはそれはありません。見た瞬間に個性が強いのが分かります。
モモコグミカンパニーの著書『目を合わせるということ』でも書かれている通り、BiSHは何と言っても個性が強いです。もしこの６人が同じクラスにいても同じ仲良しグループにはなれない、とメンバーは語ります。そんな６人がBiSHという集合場所に集まり、清掃員を勇気づける。この６人だからここまでBiSHが大きくなれたのだと思います。
メンバーごとの活躍
個性が強いため、ソロ活動の内容もメンバーごとに全く違います。
アイナ・ジ・エンド
アイナ・ジ・エンドは持ち前のハスキーのボイスが特徴で、2021年にソロアルバム『THE END』を発売し、自身初の単独ライブを成功させ、YouTube『THR FIRST TAKE』に登場しBiSHの代表曲『オーケストラ』を歌い話題になりました。アイナ・ジ・エンド単独で『ミュージックステーション』に出演を果たしました。その後、数々のドラマの主題歌やCMソングを歌い、avexのサポートの元、ソロ活動を活発に行っています。現在では、BiSHの顔としてグループを支える存在となっています。
セント・チヒロ・チッチ
セントチヒロ・チッチは、透き通る歌声で、ソロ曲『夜王子と月の姫』を発売しました。カレー好きから、BSフジテレビでカレーのレギュラー番組を持っています。
モモコグミカンパニー
モモコグミカンパニーは、ICUを無事に卒業し、字を書くことが好きなことから、エッセイ本『目を合わせるということ』『君に夢ができたよ』の２冊を出版し、『目を合わせるということ』は第14版重されました。
ハシヤスメ・アツコ
ハシヤスメ・アツコは、演技が上手い事からドラマ『ボクとツチノコ娘の1ヶ月』で主演を務めました。
リンリン
リンリンは持ち前のファッションセンスで、PARCOのモデルや、森永製菓のCMを務めました。
アユニ・Ｄ
アユニ・Dは、自身が持つバンド『PEDRO』が２０２１年２月に武道館を埋め尽くしました。
元々、所属芸能事務所WACKが過激なことを繰り返し、武道館出禁にされていたので、PEDROが武道館を埋め尽くしたのは話題になりました。「邪道アイドル」と呼ばれ続けるBiSH。彼女たちの快進撃はまだ止まらません。いや、まだ始まったばかりなのかもしれません。デビュー当時からステージに対する思いは変わりません。新生クソアイドルから始まったBiSHが今後どんな革命を私たち清掃員に見せてくれるのか。どこまで大きくなるのか。その快進撃に私たち清掃員は目が離せません。
無限の可能性
今では、楽器を持たないパンクバンドというジャンルを確立したBiSHです。
BiSHが万人受けするグループか？と聞かれたら、そうではないと思います。
だが清掃員は、
BiSHの魅力を無理して広める必要はない。分かる人だけ分かってくれればいい。
清掃員
という気持ちでここまでやってきました。これからもそうです。
彼女たちの魅力をここまで書いてきたが、正直ライブに行ってみないと分からないと思います。BiSHの代表曲『オーケストラ』は彼女たちの人生を表していると思う。ここまで沢山の苦悩を経験した６人だが絶対に、「大変だった」や「あのときは辛かった」などを言葉に出しません。また一歩舞台を降りたら普通の女の子なのです。そんな姿もほほえましいと感じます。
今回BiSHについて書いてみて、彼女たちの可能性は無限だと感じました。私は、疲れた時いつもBiSHのポストカードを見ます。そうすると６人が背中を押してくれるような気がします。この６人がいればどこまでいけます。なんだって出来る。そう感じる。それは、いつも常識という壁を破り、血眼になりながらも、いくつもの逆行を乗り越えた今のBiSHがあるからです。
私たち清掃員に不可能はない、と教えてくれたBiSHに次は、私たち清掃員がBiSHに恩返しをする番です。もしBiSHと話せたら『ここまで諦めないでくれてありがとう。』そう伝えたいです。清掃員は、普通の女の子だった６人が頑張る姿を見て、BiSHのように強くなりたい。そう憧れを抱いているのかもしれません。そんな彼女たちの可能性を信じ、どこまでもついていきたいです。
