経済統計の使い方
統計初心者の社会人向けに、経済データの解説をしています。「まとめページ」をご覧くだされば、全体的な内容がわかると思います。
回帰分析から学ぶ計量経済学

【反実仮想の世界】課題1 英語のテストと研修の効果(RCT)

A社、B社とも英語のテストを導入することにし、5月と7月に試験をすることに
しました。
A社では希望者には6月に英語研修受けてもらうことにしました。研修の前後で
点数を調べると以下の表になりました。研修に効果があったと言えるでしょうか?
B社では、ランダムに2つのグループに分け、その前後で英語の点数を調べました。
1つのグループは研修を受け、もう1つのグループには研修を受けませんでした。研
修に効果があったと言えるでしょうか?

A社の場合

A社に関しては、全員研修を受けているので、一対の標本による平均値の差の検定を行います。対立仮説を「研修後の方が点数が高い」として、片側検定で検定します。

t値は‐1.3、P値は11%なので、5%水準で棄却できません。つまり、研修に効果があったとは言えないことになります。

また、5月の試験と7月の試験の点数に有意に差があったとしても、6月に起こった他のできごとが原因かもしれませんし、単に5月から7月にかけて各自英語の勉強をした成果かもしれません。であって、研修が原因と言い切るのは難しいです。その意味では、B社のように研修を受けた人と受けない人とを比べるほうがより正確な因果関係が分かります。

B社の場合

B社に関しては、研修を受けてない人に関してのデータもあるので、より正確に効果が測定できます。研修を受けたグループ、研修を受けなかったグループのそれぞれに対し、研修前後の点数の差をそれぞれ計算し、両者のデータを「分散が等しくないと仮定した2標本による検定」をします。t値は0.3、P値は38%なので、研修に効果があったという仮説は棄却できません。

経済統計の使い方では、経済統計の入手法から分析法まで解説しています。

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