経済金融指標の見方
- 経済金融指標の見方
- コールレート(無担保翌日物)がマイナスの場合、貸し出す側が金利を負担するということでしょうか。その場合、銀行間の貸し借りは全く行われなくなるのでしょうか。
- 景気ウォッチャー調査とGDPとのズレはどのくらいなのでしょうか
- 日本のGDPは実感と違く、あまりあてにならないようですが世界でのGDPの扱いはどういう感じなのでしょうか。
- 各省庁によって地域の区分の仕方が違うことに意味はあるのでしょうか。統一性があるほうが良いと思うのですが、有識者の方々の間でそのような動きはないのでしょうか。
- 所管省庁ごとに地域ブロックが異なるのを修正しようという動きがないのか気になります。
- SNSのテキストデータは景気の指標として利用できるものなのでしょうか。
- ①近年株価が上昇していますが、一般的にインフレにと株価はある程度の相関があるのでしょうか。
- ②バブル期と比べて最近の株価はPERが低いとのことですが、まだ上昇の余地があるという見解でしょうか。
- 最近、NISAなどを活用した投資を始めたため、こういった指標も積極的に使いながら進めていきたいと感じました。ちなみに先生は投資や資産運用はされてますでしょうか。(答えたくないなどであればご放念いただければ幸いです)
- 標本誤差について
経済金融指標の見方
コールレート(無担保翌日物)がマイナスの場合、貸し出す側が金利を負担するということでしょうか。その場合、銀行間の貸し借りは全く行われなくなるのでしょうか。
資金の余裕がある場合。日本銀行に預けると0.1%利子を払わないといけないですが、コールレートのマイナス幅が0.1%よりも小さければ、コール市場でお金を運用した方が得になるため。銀行内で現金を持っていればよいと思いますが、保管コストやセキュリティを考えてそれよりはコール市場で運用したほうがいいのでしょう。
コール市場でマイナス金利が成立するメカニズムは次のとおりである。金融機関の準備預金の状況にバラツキがあり、マイナス金利が適用されない「余枠」のない金融機関と、余枠を持つ金融機関が存在する。余剰資金を持ち、かつ余枠のない金融機関は、日銀に預けると-0.1%分の金利を支払わなくてはならない。仮にコールレートがマイナスであっても、-0.1%よりもマイナス幅が小さければ、コール市場で運用した方が日銀に預金するよりも得になる。一方、余枠のある金融機関にとっては、まだコストゼロで日銀当座預金を積み増す余裕があるので、コール市場から資金をマイナス金利で借りて(金利を受け取って)当座預金残高を増やしてプラスの収益を得ることができる。このように金融機関の準備預金の状況にバラツキがある結果、マイナス金利でも貸し手と借り手双方にメリットがある状況が生まれ、マイナスのコールレートでも取引が成立する。-0.1%がコールレートの事実上の下限を設定する効果を持つことになる。
景気ウォッチャー調査とGDPとのズレはどのくらいなのでしょうか
グラフにすると以下の通りです。似ているところもありますが、ぴったり一致しているわけではありません。
日本のGDPは実感と違く、あまりあてにならないようですが世界でのGDPの扱いはどういう感じなのでしょうか。
あてにならないというよりは、景気指標として使う場合は、注意が必要ということだと思います。GDPギャップという形にすれば使えると思います。以下はGDPギャップを推計した例です。
各省庁によって地域の区分の仕方が違うことに意味はあるのでしょうか。統一性があるほうが良いと思うのですが、有識者の方々の間でそのような動きはないのでしょうか。
所管省庁ごとに地域ブロックが異なるのを修正しようという動きがないのか気になります。
第Ⅲ期基本計画には標準化に向けての動きはありましたが、実現可能性が低いのか、第Ⅳ期ではその記述はなくなりました。
あわせて、SUT体系への移行に向けた日本標準産業分類(平成25年総務省告示第405号)の必要な改定や生産物分類の構築など統計基準の整備に取り組むほか、地域区分等の表章区分の標準化を図るなど、統計相互の整合性の向上を図る。
第Ⅲ期「公的統計の整備に関する基本的な計画」
現状では以下の結論となっています。
(1) 統計作成機関は、ユーザーによる任意の地域ブロック区分による組み替え集計が可能となるようにするため、作成する統計について都道府県単位の結果表章を推進する。
(2) これに拠り難く、地域ブロック別による表章のみを行う場合は、基幹統計の結果表章において主に採用されているⅠからⅣの地域ブロック区分の類型のうち、採用事例が多い類型Ⅰの地域ブロック区分による結果表章を公表する。地域別表章に関するガイドライン(2019年)
SNSのテキストデータは景気の指標として利用できるものなのでしょうか。
かつては、経済産業省と野村證券の作成したSNS×AI景況感指標がありました。
日本経済新聞の記事を利用した東大などが開発した日経・UTEcon日次景気指数は発表されています。
①近年株価が上昇していますが、一般的にインフレにと株価はある程度の相関があるのでしょうか。
株価を配当の割引現在価値と考える「配当割引モデル」とすると、株価は配当の関数になります。配当(その源泉となる企業収益も)は名目値なので、物価がが上がれば増えます。インフレと株価にはある程度相関があると思います。
②バブル期と比べて最近の株価はPERが低いとのことですが、まだ上昇の余地があるという見解でしょうか。
株価と経常利益をみると、それほどバブル用のようには感じられないです。ただ、どこまで上がるかはわからないですが。目盛りの取り方で変わるので。
最近、NISAなどを活用した投資を始めたため、こういった指標も積極的に使いながら進めていきたいと感じました。ちなみに先生は投資や資産運用はされてますでしょうか。(答えたくないなどであればご放念いただければ幸いです)
日本株や米国株を買っていて、学生には長期投資を進めています。
リスク分散や複利の力を使うことを考えれば、もっと若いころから積み立てていればよかったと思います。
標本誤差について
内閣府HPの景気ウォッチャー調査の調査対象を軽く見ましたが、サンプル数が少ない気がします(2千人程度)。研究にご使用される際、家計調査と違い、こちらは分析時にサンプル数の問題は生じないのでしょうか。
具体的な数値を調べる家計調査と、アンケート調査とではサンプル数に違いがあって、アンケート調査については、問題ないのではないでしょうか。
はい、家計調査のような統計調査と、景気ウォッチャー調査のようなアンケート調査では、必要な標本数に違いがあります。
違いの理由
- 調査の目的の違い:
- 家計調査は、収入や支出などの具体的な数値データを収集し、全体の傾向や平均値を正確に把握することを目的としています。
- 景気ウォッチャー調査は、消費者や企業の景況感など、主観的な意見や感覚を集めることが主な目的です。
- 必要な精度の違い:
- 統計調査では、高い精度で母集団の特性を推定するため、大きな標本数が必要です。これは標本誤差を小さくし、信頼性の高い結果を得るためです。
- アンケート調査では、全体の傾向や意見の分布を把握することが主目的であり、統計調査ほどの精度は求められない場合が多いです。
- データのばらつきの違い:
- 家計調査では、収入や支出額の個人差が大きく、データのばらつきが大きいため、標本数を増やしてばらつきを抑える必要があります。
- 景気ウォッチャー調査では、景況感などの主観的な評価が中心であり、ある程度の標本数で全体の傾向を把握できます。
必要な標本数
- 家計調査の場合:
- 数千から数万世帯を対象とすることが一般的です。
- 例として、日本の総務省が実施する家計調査では、約9,000世帯が対象となっています。
- 景気ウォッチャー調査の場合:
- 数百から数千人程度の標本数で行われます。
- 例として、内閣府の景気ウォッチャー調査では、約2,000人のモニターが参加しています。
まとめ
- 統計調査では、データの精度と信頼性を高めるために、大きな標本数が必要です。
- アンケート調査では、全体の傾向を把握することが主な目的であり、比較的小さな標本数でも十分な場合があります。
このように、調査の目的や必要な精度に応じて、適切な標本数が決定されます。
ChatGPT o1-preview の解答より