- ミクロ経済学
- 成功する確率は不明であるものの、成功すれば無限に近い利益を得られるとした場合、機会費用の観点で考えると、企業の資金が尽きるまで採算を度外視して投資する、ということは合理的といえるでしょうか(米国のAI開発に関する投資を想定しています)。
- 限界生産力逓減の法則は、個人事業主でも成り立ちますか?
- 機会費用についてです。「車を買うために使用したお金で別のものを買うこと」が機会費用に当たると思いますが、結局はその金額相当の物しか買えないことになるため、何を買っても同じことになるのではないかと感じます。
- 効用分析で、限界効用はひとそれぞれ異なり、曖昧性の回避やフレーミング効果では、想定外の選択をする人も十分あり得ることから、検証を行っても、毎回予想と異なる結果が出力され、立証が難しく、こうした部分の考え方が成立するのか疑問に思った。
- 価格差別戦略は、プライステイカーを想定している完全競争市場では起こらないといことでしょうか?実際には、独占企業でない企業も価格差別戦略を行っているケースもあるように思えます。
- 効用は人それぞれの主観で決まるのか、何か別に計算式があり、それによって決まるのか疑問に感じました。
- 行動経済学で説明される個々の影響を加味したミクロ経済学のモデルはありますか?
- (1)日本に来た外国人が当初タコが苦手で食べられなかったが、その後おいしさに築いた場合
(2)イスラム教徒が当初おいしいと思って食べていたが、豚肉が入っていることに気づき、効用がマイナスになった場合
の効用関数はどうなりますか? - 一般的な効用関数として、無理関数が採用されている理由として。経済学における特別な理由はありますか?
- 財の性質はサービスにも当てはまるか。タクシーは上級財に当たるでしょうか?
- 100円ショップの100円とい価格は需要と供給によって決定されたと言えますか?
- 100円ショップで売られている品物に対応する上級財は、100円ショップに流れた需要を取り戻すために価格を下げる対応が取られると予想します。しかし、この場合、上級財を販売する産業は所得が減少し、労働者に対して支払う賃金の額も減少してしまいます。結果下級財である100円ショップの財の需要が伸びるという循環が想定されます。この場合、上級財を販売する企業はどのような対応をとるのですか?
- マクロ経済学
- ラスパイレス式とパーシェ式の両方を発表する統計はないか?
- 関税をかけた状況で、需要不足になった場合、関税の引き下げと補助金等の給付ではどちらが適切か?
- 民間銀行が貸し渋りの傾向があれば、中央銀行のハイパワードマネー操作の効果は低下するでしょうか。(民間銀行の資金が増えても内部にとどまるため)
- 関税の効果分析の国際価格が需要供給曲線の交点より高い価格になった場合、企業は生産量を増やすと思いますが、消費者の需要量は減少するでしょうか。
- ドルが基軸通貨である限り、国際決済などでの需要があることから、他通貨に対して極端に安くなる、ということは考えにくいでしょうか。
- トランプ関税の税率に根拠はあるのでしょうか。本来は自国産業と消費者余剰の短期長期におけるバランスから決定すると考えます。しかしトランプ関税は政治的(支持者集めや外交の材料)な側面が大きいと考えます。トランプ政権が国や品目によって変えている税率は、「輸入数を0にする」「関税額を最大化する」などの経済学的根拠があるのか、それを余剰分析できるのか疑問に思いました。
- 通貨を増やすと円安になることを深堀りした話を聞きたかった。また、これに関連して基軸通貨であるドルについて、流通量、インフレと信用不安の関係性が気になった。
- GDPの帰属計算について、自宅を購入した際の金額は購入時点で総額がGDPに計上され、その後も帰属家賃として算入されると、二重計上にならないか?
- 景気の判断として物価上昇率を目標にするのは、上記のような場合に、所得が増え、上級財がより消費されれば、より高い価格で財の取引が行われると想定されるからですか。
- なぜ1991年以降日銀は準備率を変更しなかったのか?
- 全体的なもの
ミクロ経済学
成功する確率は不明であるものの、成功すれば無限に近い利益を得られるとした場合、機会費用の観点で考えると、企業の資金が尽きるまで採算を度外視して投資する、ということは合理的といえるでしょうか(米国のAI開発に関する投資を想定しています)。
無限に近い利益が得られるなら、投資するのが合理的でしょうね。成功する確率にもよりますが、確率が小さくても、無限に近い利益が得られるなら投資するでしょう。
限界生産力逓減の法則は、個人事業主でも成り立ちますか?
個人事業主が一人、二人と増えていくとどこかで混雑現象が起こって、生産力が逓減すると思います。一人の場合で、労働時間を増やしていく場合でも、働きすぎると限界生産量が逓減します。
機会費用についてです。「車を買うために使用したお金で別のものを買うこと」が機会費用に当たると思いますが、結局はその金額相当の物しか買えないことになるため、何を買っても同じことになるのではないかと感じます。
機会費用は、車以外のものを買った時に得られる収益です。普通の財であれば、収益は上がらないかもしれませんが、たとえば株を買ったり債券を買ったりすれば利益がでる可能性があるので、その部分が機会費用になります。
効用分析で、限界効用はひとそれぞれ異なり、曖昧性の回避やフレーミング効果では、想定外の選択をする人も十分あり得ることから、検証を行っても、毎回予想と異なる結果が出力され、立証が難しく、こうした部分の考え方が成立するのか疑問に思った。
限界効用は人それぞれ違い、時と場合によっても変わるものだと思います。そこで厳密な効用関数は作れないと考えられています。しかし、大まかには限界効用は逓減するなどの傾向があり、それを根拠に理論は作られていると思います。
価格差別戦略は、プライステイカーを想定している完全競争市場では起こらないといことでしょうか?実際には、独占企業でない企業も価格差別戦略を行っているケースもあるように思えます。
疑問はもっともなことだと思います。完全競争市場では、価格の決定権がないので、差別価格をつけることはできません。ただ、学生の市場と社会人の市場を異なるものと考えれば、それぞれが異なる完全競争市場と考えられ、異なる価格をつけることができると思います。
効用は人それぞれの主観で決まるのか、何か別に計算式があり、それによって決まるのか疑問に感じました。
人それぞれの主観で決まるものです。なかなか捉えどころのないものだと思います。計算式はないと思います。お酒の好き嫌いは、人によってかなり違います。
行動経済学で説明される個々の影響を加味したミクロ経済学のモデルはありますか?
損失回避については、プロスペクト理論として確立されていると思います。単なる効用ではなく、心理的な価値観数を最大化すると考えます。
従来のミクロ経済学を根本から作り直すような理論はまだないと思います。
(1)日本に来た外国人が当初タコが苦手で食べられなかったが、その後おいしさに築いた場合
(2)イスラム教徒が当初おいしいと思って食べていたが、豚肉が入っていることに気づき、効用がマイナスになった場合
の効用関数はどうなりますか?
図に書かれていた効用関数は正しく、(1)の場合は当初右下がりでその後右上がりです。(2)の場合は、情報が入った時点で非連続的にマイナスになります。
タコについての研究はなかったですが、ハラールを題材にした論文はあるようです。
Meaning and Discontinuity in Consumer Choice∗
一般的な効用関数として、無理関数が採用されている理由として。経済学における特別な理由はありますか?
限界効用が逓減する、ということを表すという意味では、微分した式(限界効用)の微分(限界効用の傾き)がマイナスになればよいので、対数関数もよく使われます。
財の性質はサービスにも当てはまるか。タクシーは上級財に当たるでしょうか?
タクシーは上級財に当たると思いましたが、家計調査で調べると、所得が増えるほどタクシー代が増えるわけではないようです。鉄道運賃や航空運賃は上級財のようです。

100円ショップの100円とい価格は需要と供給によって決定されたと言えますか?
基本的には需要と供給によって決定されますが、100円という価格が固定されているので、数量や品質で調整されると思います。通常は値上げするところ、量を減らす、という形で調整されるのではないかと思います。
100円ショップで売られている品物に対応する上級財は、100円ショップに流れた需要を取り戻すために価格を下げる対応が取られると予想します。しかし、この場合、上級財を販売する産業は所得が減少し、労働者に対して支払う賃金の額も減少してしまいます。結果下級財である100円ショップの財の需要が伸びるという循環が想定されます。この場合、上級財を販売する企業はどのような対応をとるのですか?
価格を下げる競争には限界があるため、差別化による価値創造へ向かうというのが方向性としてはよいと思います。上級財を作っているかどうかにかかわらず、同じ市場に、より低コストで生産できる企業が参入した場合どうするか、ということだと思います。
経費を削減する、付加価値をつける、生産性を上げる、などの何らかの対応が必要になると思います。単に価格を下げるだけでは利益が減ってしまうので、対応としてはよくないかもしれません。
マクロ経済学
ラスパイレス式とパーシェ式の両方を発表する統計はないか?
試験的に試算されることはありますが、両方常に発表している統計はないです。両方発表すると、「どちらが正しいのか」という議論が起こりがちなので、どちらか一方にする場合が多と思います。
企業物価はラスパイレス式、貿易統計は数量も価格もあるので、フィッシャー式です。
フィッシャー式は理想的な価格指数と呼ばれ、ラスパイレス式とパーシェ式を使って作ります。貿易指数は価格も数量もあるので、この方式で作られます。
\[ 𝐹 =\sqrt{ラスパイレス式×パーシェ式} \]
関税をかけた状況で、需要不足になった場合、関税の引き下げと補助金等の給付ではどちらが適切か?
短期的な需要不足の場合は、補助金等の給付で直接需要を増やす方がよく、長期的な需要不足の場合は、関税の引き下げが望ましいと言えます。
民間銀行が貸し渋りの傾向があれば、中央銀行のハイパワードマネー操作の効果は低下するでしょうか。(民間銀行の資金が増えても内部にとどまるため)
貸し渋りの結果、預金のすべてが貸出に回らないと、信用乗数が低下し、預金量も減少します。預金量が減ると、貨幣乗数は小さくなるので、ハイパワードマネー操作の効果は低下すると考えていいと思います。
関税の効果分析の国際価格が需要供給曲線の交点より高い価格になった場合、企業は生産量を増やすと思いますが、消費者の需要量は減少するでしょうか。
国際価格が国内価格より高くなった場合は、だれも高いお金を出して輸入品を買わないので、輸入はゼロになると思います。
国内企業は、国際価格が高いのなら、むしろ輸出をすると思います。
ドルが基軸通貨である限り、国際決済などでの需要があることから、他通貨に対して極端に安くなる、ということは考えにくいでしょうか。
基軸通貨であることの価値はあると思いますが、他通貨に対して安くならないとは限りません。ドルに不安を感じれば暴落することもあるでしょう。
トランプ関税の税率に根拠はあるのでしょうか。本来は自国産業と消費者余剰の短期長期におけるバランスから決定すると考えます。しかしトランプ関税は政治的(支持者集めや外交の材料)な側面が大きいと考えます。トランプ政権が国や品目によって変えている税率は、「輸入数を0にする」「関税額を最大化する」などの経済学的根拠があるのか、それを余剰分析できるのか疑問に思いました。
トランプ関税の関税率については特に根拠がないように思えます。輸入数をゼロにする、と関税額を最大化する、といった考えたはないのではないでしょうか。
通貨を増やすと円安になることを深堀りした話を聞きたかった。また、これに関連して基軸通貨であるドルについて、流通量、インフレと信用不安の関係性が気になった。
マクロ経済学では、IS-LM分析やその国際経済版マンデルフレミングモデルを使って、説明します。
通貨量増加 → 金利低下 → 資本流出 → 円安 → 輸出増加 → 所得拡大
という経路です。
基軸通貨であれば、ある程度の価値は維持できますが、ドルに対する信用が失われれば安くなることもあり得ます。米国でインフレが高進すればその可能性はあります。
GDPの帰属計算について、自宅を購入した際の金額は購入時点で総額がGDPに計上され、その後も帰属家賃として算入されると、二重計上にならないか?
これは「投資の二重性」の問題として考えることができます。設備投資は、一方では支出項目となり、一方では生産設備として付加価値を生む生産要素(資本ストック)になります。
これと同様、住宅は住宅投資として、投資の一種と考えられています。一方で、住宅が生むサービスの対価として家賃が払われている問ことになります。住宅が新たな価値を生み出していれば、二重計算になりません。
景気の判断として物価上昇率を目標にするのは、上記のような場合に、所得が増え、上級財がより消費されれば、より高い価格で財の取引が行われると想定されるからですか。
物価上昇率を目標にするのは、所得の増加が目的というよりは、通貨価値の安定が目的だと思います。より高い価格での取引を指向しているわけではないです。物価が高くなりすぎると、実質所得が減るためです。ただ景気が良い時は多少物価はあがるものなので、多少の物価上昇は許容するということだと思います。
なぜ1991年以降日銀は準備率を変更しなかったのか?
公開市場操作など、ほかの手段の方が効果的だからだと思います。
量的緩和政策では、準備率は変更しませんでしたが、日銀当座預金を活用した政策になっていました。
全体的なもの
感想、疑問の記入が必ずありましたが、先生にとって、一番大切にされていた部分でしょうか。感想、疑問を書く欄に対し、行動経済学的に、名称や感想を書く場合はあまり理解しないなど、傾向などはありますでしょうか。記載をしなければ0点とのことでしたので、大切にされているのかと思いました。
特に感想だけでもよいですし、あまり傾向については考えてませんでした。ただ、いろいろと考えれば疑問がわくものだし、さまざまな方向から考えると矛盾が見えやすくなり、疑問がわくものなので、疑問をだすことを推奨しています。
今回の講義において、統計業務(経済関連)を行う上で「何」を意識するべきでしょうか。
今回の講義では、ほかの講義とは多少違って実務に直接役立たないものもあると思います。指数の作り方は関係あるでしょうが、ほかの講義でも詳しくやると思います。
ただ、統計は作るだけでなく、使ってもらうことも重要です。そういう意味では「統計ユーザーの気持ちを理解する」ことを意識してもらうとありがたいです。統計を使った分析には、「経済学的な考え方」がベースにあるものが多いためです。
