質問への回答
- ミクロ経済学
- 需要曲線「値段が高まれば個数(需要)が減る」は理解できますが、供給曲線「値段が高まると個数(供給)も増える」がいまいちピンときません。「値段が高まったことで利益が増えて、供給できる個数が増えた」という考え方で合っていますでしょうか?
- 分業の基本は資本の蓄積とはどのような意味でしょうか
- 【質問】最近、映画鑑賞でおまけを第1弾、第2弾のようにつけていることがありますが、これもバージョニングになるのでしょうか。
- 余剰について理解しきれなかったのですが、バージョニングやバンドリングは消費者余剰を増やすための取り組みという理解で間違いないでしょうか。
- 現在の消費と将来の消費の最適な組み合わせについて理解できませんでした。
- また、商品等が3つ以上の場合はどのように均衡点が決まるのでしょうか?。
ミクロ経済学
需要曲線「値段が高まれば個数(需要)が減る」は理解できますが、供給曲線「値段が高まると個数(供給)も増える」がいまいちピンときません。「値段が高まったことで利益が増えて、供給できる個数が増えた」という考え方で合っていますでしょうか?
記事「供給曲線はなぜ右上がりか」を参照してください。
分業の基本は資本の蓄積とはどのような意味でしょうか
アダムスミスは、分業が成立するためには、労働者が労働に専念でき、流通網があり、機械設備があれば、分業による生産性が上がるはずと考えたということです。
資本というのは大量のお金ということで、それがあれば、工場を作ったり、人を雇ったり、流通網を整備したりできるということです。しかし、資本を蓄積するためには、大金持ちを作る(富を集中させる)仕組みが必要で、それが資本主義ということになります。
【質問】最近、映画鑑賞でおまけを第1弾、第2弾のようにつけていることがありますが、これもバージョニングになるのでしょうか。
映画+おまけ第1弾
映画+おまけ第2弾
という形なので、バージョンを変えていると考えてもいいと思います。広い意味ではバージョニングでしょう。
余剰について理解しきれなかったのですが、バージョニングやバンドリングは消費者余剰を増やすための取り組みという理解で間違いないでしょうか。
バージョニングは多く払ってもよいという消費者には高く、あまり払いたくないという消費者には安く売るという意味では、消費者余剰を減らすための仕組みです。
バンドリングも、別々だと安い価格になってしまうところを、高い価格を払わざるをえないという意味では消費者余剰が減らされているということになります。
現在の消費と将来の消費の最適な組み合わせについて理解できませんでした。
意味合いとしては、
現在のチョコレートを買うと1個買えて1週間後にチョコレートを買うと2個買える時、今何個買って、1週間後に何個変うか、という問題と同じです。
現在チョコレートを買うのを我慢すると、利子がついて、将来変えるチョコレートの量が増えます。
また、商品等が3つ以上の場合はどのように均衡点が決まるのでしょうか?。
図で書くのは難しく、式で解くことになります。
消費者が、限られた所得の中で3つの商品 $A$, $B$, $C$ を消費する場合を考える。
それぞれの商品の価格を $p_A$, $p_B$, $p_C$、消費量を $x_A$, $x_B$, $x_C$、所得(予算)を $I$ とする。
1. 問題の設定
消費者の効用関数を $U(x_A, x_B, x_C)$ とし、以下の制約条件のもとで効用を最大化する。
maximize
$U(x_A, x_B, x_C)$
subject to
$p_A x_A + p_B x_B + p_C x_C = I $
2. ラグランジュ関数
制約条件付き最適化問題を解くために、ラグランジュ関数を定義する。
$
\mathcal{L} = U(x_A, x_B, x_C) – \lambda (p_A x_A + p_B x_B + p_C x_C – I)
$
3. 一階条件(FOC)
各変数について偏微分し、以下のような一階条件(First Order Conditions)を得る:
$\frac{\partial \mathcal{L}}{\partial x_A} = \frac{\partial U}{\partial x_A} – \lambda p_A = 0$
$\frac{\partial \mathcal{L}}{\partial x_B} = \frac{\partial U}{\partial x_B} – \lambda p_B = 0$
$\frac{\partial \mathcal{L}}{\partial x_C} = \frac{\partial U}{\partial x_C} – \lambda p_C = 0$
$\frac{\partial \mathcal{L}}{\partial \lambda} = -(p_A x_A + p_B x_B + p_C x_C – I) = 0 $
4. 均衡条件
上記の3つの式から、次のような均衡条件が導かれる:
$
\frac{\frac{\partial U}{\partial x_A}}{p_A} = \frac{\frac{\partial U}{\partial x_B}}{p_B} = \frac{\frac{\partial U}{\partial x_C}}{p_C}
$
これは「1単位あたりの価格で得られる限界効用(効用の増加分)」が全て等しいことを意味する。