マネーストックは日本国内にある現金や預金の量を示す重要な統計です。ただ、分類にわかりにくいところがあるので、その解説をします。
経済統計の使い方では、経済統計の入手法から分析法まで解説しています。
【経済統計】経済統計一覧
経済指標を分野ごとにまとめています。
経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。
1.経済統計...
分類は4種類
マネーストックは4種類に分類されます。
M1からM3までと、広義流動性です。流動性の違いによって分けられていればわかりやすいんですが、通貨保有主体による分類もありやっかいです。
M1は、通貨保有主体に関わらず、現金、要求払い預金について集計したものです。M3はそれに定期性預金などを加えたものです。
M2は、預金通貨を集計したものですが、通貨保有主体にゆうちょ銀行などが除かれていることに注意が必要です。
広義流動性はほとんどの金融商品を含みます。
M2はなぜゆうちょ銀行を除くのか
分類図をみると、M2だけが特別な分類をしていることが分かります。
マネーストック統計は2008年6月に、マネーサプライ統計から名称変更されました。M2が特別な分類なのは、マネーサプライ統計で有力な指標であったM2+CDとの整合性をとるためです。M2+CDにはゆうちょ銀行が入っていなかったので、M2では、民間銀行という分類では本来入るべきゆうちょ銀行をわざわざ除いています。
2007年10月に郵便貯金がゆうちょ銀行に変り、国内銀行として扱われるようになりました。マネーサプライ統計では統計上M2+CDに含まれるので、M2+CDが大きく膨れ上がることになります。それを回避することを一つのきっかけとして、マネーサプライ統計からマネーストック統計へと変更されました。
マネーストック統計への名称変更は海外での名称(Money Stock)に合わせたものです。
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