- 金融と日本銀行
- 動画の中で戦後のハイパーインフレーションに対応するために、預金封鎖や新円への切り替えとありましたが、新円への切り替えが経済にどのような影響をもたらすのか教えていただきたいです。
バブル期に旧大蔵省から日銀への圧力があったのでは、とのことでしたが、現在このようなことを防止するような対策(法律など)はありますでしょうか。
ゼロ金利政策や量的緩和をもってしても、デフレが続いてしまった主な要因はどこにあるのでしょうか。
動画の法定準備率の計算部分の解説を聞きたいです。
2020年に国債を積極的買い入れとありますが、国債を買い入れることが、日本経済にどのような効果を生むのかがわかりませんでした。
①買いオペでは、新規に紙幣を刷って国債を買い取っているのでしょうか。- ②量的緩和によって日銀当座預金が増えるのは、市場に現金があふれ、銀行が貸し手を見つけられないので、仕方なく日銀の口座に預けているというような状態でしょうか。
- ファクトフルネス
- 恐怖本能の例で、「行動する前に落ち着こう」の事例がよくわからなかったです。恐ろしいものに自然と目が行ってしまうのであれば、大災害の際は世の中よくなっているということにならないのではと思ったのですが、こちらから得られる示唆とはどういうものなのでしょうか。
多くのニュースで、報道はセンセーショナルな書き方をすることが多く、そのほうが読者、視聴者が増えるからだとは思っているからなのですが、「正しい」報道をしない理由はほかにもあるのでしょうか。先生は記者もされていたと経歴でお伺いしたので、もし先生の見解があればご教示いただけますと幸いです。- 今回の個人研究のテーマとして、我が国の賃金について考えておりますが、経済(特にGDP)の発展は急務であると認識しております。10の思い込みの一つである焦り本能ーいますぐ手を打たないと大変なことになるに該当してしまうかもしれませんが、教授はどのようにお考えでしょうか?
金融と日本銀行
動画の中で戦後のハイパーインフレーションに対応するために、預金封鎖や新円への切り替えとありましたが、新円への切り替えが経済にどのような影響をもたらすのか教えていただきたいです。
新円の切り替え時代に効果があったのではなく、旧円をいったん預金させたうえで、預金を封鎖し、貨幣流通量を減らすことに目的があったようです。新円での引き出しは、生活費などに限ったため、貨幣供給量が減りました。
第二次大戦直後のインフレ進行を阻止するために、政府は1946年(昭和21年)2月、金融緊急措置令および日本銀行券預入令を公布し、5円以上の日本銀行券を預金、あるいは貯金、金銭信託として強制的に金融機関に預入させ、「既存の預金とともに封鎖のうえ、生活費や事業費などに限って新銀行券による払出しを認める」という非常措置を実施しました。これが、いわゆる「新円切り替え」と呼ばれているものです。
「教えて!にちぎん」より
バブル期に旧大蔵省から日銀への圧力があったのでは、とのことでしたが、現在このようなことを防止するような対策(法律など)はありますでしょうか。
日本銀行法第3条第1項では、「日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない」として、金融政策の独立性について書かれています。強い調子ではなですが。
一方、政府のある程度の関与も認められていて、
- 〇「金融政策決定会合」に政府の代表者が必要に応じて出席し、意見を述べること
- 〇議案を提出すること
- 〇議決の次回会合までの延期を求めることができること
が定められています。政府と日銀が意思疎通を図るための制度ですが、使い方によっては、政府が日銀に圧力をかけることもできる気がします。
ゼロ金利政策や量的緩和をもってしても、デフレが続いてしまった主な要因はどこにあるのでしょうか。
デフレの原因が、金融政策を操作することで解消するようなものではなかったということでしょうか。
動画の法定準備率の計算部分の解説を聞きたいです。
1億円の支払い準備金を出しているということほ、支払準備率(預金準備率)が0.001%なら、預金が1000億円ということになります。その分貸出に回せるという意味です。しかし、正しくは、支払準備に1億円預けるので、貸し出せるのは999億円です。
2020年に国債を積極的買い入れとありますが、国債を買い入れることが、日本経済にどのような効果を生むのかがわかりませんでした。
国債を買う→国債の値段が上がる→国債の利回りが下がる
- ということだと思います。今回はあまり説明していませんが、国債価格と国債利回りは反対方向に動きます。
①買いオペでは、新規に紙幣を刷って国債を買い取っているのでしょうか。
新規に紙幣を刷らなくても、保有している現金を使えばよいと思います。
②量的緩和によって日銀当座預金が増えるのは、市場に現金があふれ、銀行が貸し手を見つけられないので、仕方なく日銀の口座に預けているというような状態でしょうか。
当座預金が増えるのは、日本銀行が国債などを売るためです。売ったお金がまず、日銀当座預金に入ります。これには利子がつかないので、企業は貸出などほかの資産に変えるはずだということです。
ファクトフルネス
恐怖本能の例で、「行動する前に落ち着こう」の事例がよくわからなかったです。恐ろしいものに自然と目が行ってしまうのであれば、大災害の際は世の中よくなっているということにならないのではと思ったのですが、こちらから得られる示唆とはどういうものなのでしょうか。
大災害は起こるもので、その時点では楽観的になる必要はないが、落ち着いたら楽観的になろうということだと思います。大災害がなくなるわけではないですが、増え続得ているわけでもないので。
多くのニュースで、報道はセンセーショナルな書き方をすることが多く、そのほうが読者、視聴者が増えるからだとは思っているからなのですが、「正しい」報道をしない理由はほかにもあるのでしょうか。先生は記者もされていたと経歴でお伺いしたので、もし先生の見解があればご教示いただけますと幸いです。
「正しい」報道をしない場合としては以下が挙げられます。メディアは読み手を納得させる必要があるので、できるだけ口当たりの良い言葉を使う必要があり、正確さが犠牲になるかもしれません。
- ・わかりやすくるために、途中を端折ると正確さが犠牲になる
- ・世間一般に納得されていることは、間違っていても記事として書きやすい。
- ・間違っているかもしれないが、世の中の動きを捉えているものは記事になりやすい
- ・間違っていても、注目を集めそうなものは記事になりやすい
今回の個人研究のテーマとして、我が国の賃金について考えておりますが、経済(特にGDP)の発展は急務であると認識しております。10の思い込みの一つである焦り本能ーいますぐ手を打たないと大変なことになるに該当してしまうかもしれませんが、教授はどのようにお考えでしょうか?
早急に手を打つ必要がありますが、効果がすぐ出るものでもないので、じっくり考えることも重要だと思います。
「いましかない」という焦りはストレスのもとになったり、逆に無関心につながってしまう。「なんでもいいからとにかく変えなくては。分析は後回し。行動あるのみ」と感じたり、逆に「何をやってもダメ。自分にできることはない。あきらめよう」という気持ちになる。どちらの場合も、考えることをやめ、本能に負け、愚かな判断をしてしまうことになる。
ファクトフルネス