統計関連のコンクールにはいくつかあります。それを紹介していきましょう。
経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。
統計グラフコンクール
統計グラフ全国コンクールは、公益財団法人 統計情報研究開発センターが主催するコンクールですが、後援は、総務省、文部科学省、全国統計教育研究協議会、NHK、一般社団法人日本統計学会、一般社団法人日本品質管理学会です。総務省主導といってもいいでしょう。
統計グラフ全国コンクールは、各都道府県の優秀作品が6部門に分けて出品され、2回の審査で選考されます。
統計グラフの描き方は、静岡県の「アンケートをとって統計グラフを作ろう!」が参考になります。
部門
審査は、学年別の5部門と、パソコン統計グラフの部があります。
第1部 | 小学校1年生及び2年生の児童 |
第2部 | 小学校3年生及び4年生の児童 |
第3部 | 小学校5年生及び6年生の児童 |
第4部 | 中学校の生徒 |
第5部 | 高等学校以上の生徒、学生及び一般 |
パソコン統計グラフの部 | 小学校の児童以上 |
募集要領
- 統計知識の普及と統計の表現技術の研さんに資するため、全国の小学生、中学生、高校生、大学生及び一般から統計グラフを募集
- テーマは自由です。
- ポスターの大きさは、B2サイズです。B4サイズ4枚分です。
- 締め切りは都道府県によって異なりますが、2022年度の東京都の場合、2022年6月23日(木曜日)から9月6日(火曜日)まで【必着】でした。
審査基準
審査基準は以下のように定められています。
- 共通基準
- 誤りはないか
目盛り、単位の取り方、文字・数字、脱字、記入漏れ。 - 書き落しはないか
資料の出所、観察・調査の方法 - 的確か
見出し(主題)の表現、配色。
- 誤りはないか
- 各部の基準
- 第1部、第2部
子供らしい身近な課題をとらえて、ふさわしい観察・調査をし、グラフに表しているか。 - 第3~5部、パソコン統計グラフの部
- 統計データを正しく理解し、グラフ化することによってデータの持つ事象が理解されやすくなるよう、工夫されているか。
- 訴えたい主題が的確にグラフに表れているか。また、主題は斬新で興味を喚起するものであるか。
- パソコン統計グラフの部では、パソコンの機能を十分に活用したものであるか。
- 第1部、第2部
優秀賞は?
受賞作品を見てましょう。大学や一般人も参加できますが、入賞したのは小学生や中高生が多いようです。
特別賞 | 部門 | 作品名 | 学校名 | 学年 | 氏名 |
---|---|---|---|---|---|
金丸三郎賞 | 第1部 | 花巻駅 なん人 おりるかな? | 岩手県花巻市立若葉小学校 | 2年 | 安部 哲司 |
総務大臣賞 | 第2部 | 見つけて!命をつなぐバトン 自分でできるAEDきゅうじょたい | 新潟県見附市立名木野小学校 | 4年 | 大久保 仁湖 |
日本品質管理学会賞 | 第3部 | 新潟の人口減少は道の駅が救う!? | 新潟県田上町立羽生田小学校 | 6年 | 畠山 紗來 |
日本統計学会会長賞 | 第4部 | アニメが生み出す消費行動と地域活性化の可能性 | 長野県諏訪清陵高等学校附属中学校 | 3年 | 小濱 梓咲 |
石橋信夫賞 | 第5部 | 遠い国の話じゃない! 深刻な日本の経済格差・教育格差 | 兵庫県神戸大学附属中等教育学校 | 4年 | 横山 史織 |
文部科学大臣賞 | パソコン統計 グラフの部 | 睡眠時間、見直してみませんか? | 静岡県小山町立北郷中学校 | 1年 | 天野 克哉 |
統計データ分析コンペティション
統計データ分析コンペティション は、統計の分析に関するコンテストです。
主催
総務省統計局、独立行政法人 統計センター、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所及び一般財団法人 日本統計協会の共催で開催しています。こちらも総務省主導のコンテストです。
エントリー期間
2022年5月10日~8月10日
論文提出期間
2022年5月10日~9月1日(大学生・一般の部)18時
2022年5月10日~9月9日18時(高校生の部)
応募条件
教育用標準データセット(SSDSE)を使った分析です。
論文の審査基準
主な審査基準(各部門共通)は、以下となります。
- 分析の目的・結果等に独自性があるか。
- データの分析手法・可視化手法が、統計学的に見て適切か。
- 高校生、大学生等の統計データの利活用マインドと分析技術のかん養を図るものであるか。
- 統計リテラシーの向上と公的統計データの利活用推進に効果と有用性が期待できるか。
- 関連する研究があれば、適切に引用されているか。
新たな発見、高度な手法、分析結果に基づく提案・提言等も評価対象となります。
受賞論文
総務大臣賞
パンデミックは人流をどう変えたか ―地域の特性別に―(PDF:1,036KB) 大古 一聡、西川 直輝(東京大学大学院情報理工学系研究科) 概要の表示
都道府県別の人流データを用い、移動距離やサービス業割合、旅館数等で重力モデルによる回帰分析を行い、新型コロナウイルス感染症による影響で長距離移動やサービス業・観光業の盛んな地域への移動が減ったことを示した。
優秀賞
社会保障政策と犯罪の関係 ―都道府県パネルデータによる実証分析―(PDF:457KB) TENG YU ZHE(青森中央学院大学経営法学部) 概要の表示
都道府県別データにより、犯罪件数を生活保護人員数割合、進学率、失業率等の変数で回帰し、社会保障政策が充実すれば犯罪が減ることを示した。
統計数理賞
リサイクル活動に対する地域・政策要因の研究 -主成分分析・階層的クラスタリングを用いた市町村別分析-(PDF:1,860KB) 小関 敦生、黒須 咲菜、杉本 果穂、守木 悠太郎、森田 花梨(静岡大学情報学部)
宇留賀 大誠(静岡大学大学院総合科学技術研究科) 概要の表示
市町村単位のデータを用い、主成分分析とクラスター分析を組み合わせた都市分類を行った上で、リサイクル率に関して重回帰分析を行い、産業規模の拡大が都市群によってリサイクル率に影響を及ぼすことを示した。
統計活用奨励賞
生活系ごみ排出量と事業系ごみ排出量による回帰分析(PDF:2,133KB) 原 明美(東京理科大学理学部第二部) 概要の表示
地方創生★政策アイディアコンテスト
地方創生アイディアコンテスト は RESASを使ったアイディアコンテストです。
募集期間
2022年8月2日(火)~9月30日(金)
募集内容
地域の現状・課題について、「地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」、「V-
RESAS」等を使って分析し、解決策となるような政策アイデアを提案することです。
【政策アイデアの例】
・地域経済を〇〇で元気にする
・地域の問題を〇〇で解決する
・新型コロナウイルス感染症により受けたダメージを〇〇で回復する
・地域の人口減少・少子高齢化を〇〇で解決する 等
募集対象
- 地方創生やデータ利活用に関心を持つ地方公共団体、民間企業等の社会人や学生などということです。
- 応募作品の中には、分析・提案に加えて、提案内容を実行する又は協力・助言を行う主体(応募者自身、地方公共団体、各種機関、民間企業、学校等)や、応募時点の相談・調整状況等を盛り込むことが可能です。
- 個人、部・課単位、その他グループ(学校やクラス等)で、応募が可能です。
審査のポイント
- 地域の地方創生に資する有効性の高い政策アイデアであること
- RESAS 等を活用したデータ分析を行っていること
- 地域全体を巻き込んだ構想となっていること
地方創生担当大臣賞
高校生・中学生以下の部
★心と体、疲れてません? オホーツクを自転車でリフレッシュ
チーム名 北海道斜里高等学校/北海道斜里高等学校観光ビジネス 参加者氏名 浅沼亮太、横山想、髙桑来愛、蛯子羅偉、小野映理花、河部純平、坂野綾圭泉、佐野巧、高梨りん 分析対象地域 北海道 詳細を見る
大学生以上一般の部
★学生がつなぐ地方創生移動販売
チーム名 同志社大学/野田ゼミ 参加者氏名 辻本瑞季、松本くるみ、奥村沙耶、尾上美紀、喜多嶋一博、北本健人、西村圭乃、蒔田美鈴、宮元翼 分析対象地域 京都府 詳細を見る
官民連携の部
★港区アクティブシニア創出計画−MASK−
チーム名 港区役所/港区政策研究会Aグループ 参加者氏名 黒川祐二、渡邉裕太、田中舞乃 分析対象地域 東京都 詳細を見る
優秀賞
高校生・中学生以下の部
★新居大島の未来を考える ~幻の七福芋を通して~
チーム名 愛媛県立新居浜商業高等学校/NCガールズ 参加者氏名 白石妃菜、石川彩萌、小野優花、渡邉ゆい 分析対象地域 愛媛県 詳細を見る
★「宇宙港」で おおいた を元気に
チーム名 大分東明高等学校/大分東明高等学校社会部(TEC) 参加者氏名 衛藤悠希、麻生一路、板谷康介、秦聡一朗、森陽生 分析対象地域 大分県 詳細を見る
大学生以上一般の部
★朝ごはんで切り拓く徳島の未来 ~食材が地域と子どもを繋ぐ~
チーム名 徳島大学/TEAM朝ごはん 参加者氏名 中泉陽菜、金村梨聖 分析対象地域 徳島県 詳細を見る
★アウトドアに特化した起業家養成塾 鳥取県をアウトドアの聖地に
チーム名 鳥取県琴浦町教育委員会事務局社会教育課 参加者氏名 谷田明日香 分析対象地域 鳥取県 詳細を見る
官民連携の部
★地域交流でつながる、将来の移住者たち
チーム名 本郷高等学校/本の鳥100 参加者氏名 井上煌平 分析対象地域 青森県 詳細を見る
★銘仙でまちなかを元気に
チーム名 伊勢崎市立四ツ葉学園中等教育学校/銘仙のまち伊勢崎プロジェクト 参加者氏名 小林香穂 分析対象地域 群馬県 詳細を見る
ISLP 国際統計ポスターコンペティション 日本予選会
国際的なポスターコンテストもあります。まず、日本予選会で勝てば、国際大会に出ることができます。
優秀ポスターは以下です。