- マクロ経済学
- 貨幣の形は変遷してきましたが、初期の米が貨幣だった時代、コクゾウムシなどの害虫により貨幣(米)が消失するといったトラブルがあったのですか?
- ①ビットコイン等の暗号資産はかつては仮想通貨という名称で呼ばれていましたが、経済学的な定義や機能からは通貨と言えるものでしょうか。 ②信用創造は企業が融資元の銀行に預金した場合は発生するのでしょうか。(スライドの図のX社がA銀行から借りた90万をA銀行に預ける。)
- 各銀行は預金準備率を法定準備率と一致するようにしているのでしょうか。それとも、法定準備率以上の預金を行っている場合もあるのでしょうか。
- 人口減少にともなう長期的なGDP縮小が、法定準備率の押下げに寄与するのか気になった。
- 普段から当たり前に利用している貨幣の動きについて知ることができ、大変勉強になりました。近年普及している電子マネーは、日本銀行が発行する紙幣や硬貨のように目に見える形で存在していませんが、この存在はどのように担保がとられるのでしょうか。
- 中央銀行の買いオペ、売りオペがマネーストックや金利に与える影響には基本式がありますか。
- 仮想通貨等による取引が活発になると、日銀は準備預金を通じた景気の調整が困難になるのですか。
- 日本における貨幣乗数の最大値はどの程度でしょうか?
- 預金準備率は1991年以降変更されていないとのことですが、変更することにより発生する影響(リスク)を鑑みて慎重になっているからでしょうか。こまめに変更して調整することは難しいのでしょうか。
- 政府と日本銀行は独立している印象だが、同調した経済・金融政策を行ったことで大きな困難が生じた国家が存在するのか気になった。
- プリペイド、後払いなど決済手段が多様化していますが、貨幣の流通速度には影響があるのでしょうか。
マクロ経済学
貨幣の形は変遷してきましたが、初期の米が貨幣だった時代、コクゾウムシなどの害虫により貨幣(米)が消失するといったトラブルがあったのですか?
資料は見つけられませんでしたが、あったと思います。それで銅貨などに変わっていったのでしょう。
①ビットコイン等の暗号資産はかつては仮想通貨という名称で呼ばれていましたが、経済学的な定義や機能からは通貨と言えるものでしょうか。 ②信用創造は企業が融資元の銀行に預金した場合は発生するのでしょうか。(スライドの図のX社がA銀行から借りた90万をA銀行に預ける。)
①暗号資産については次を参考にしてください。
②同じ銀行に預けても、預金は増えるので、信用創造は発生します。
各銀行は預金準備率を法定準備率と一致するようにしているのでしょうか。それとも、法定準備率以上の預金を行っている場合もあるのでしょうか。
日本銀行に預けても利子がつかないので、法定準備率以上の預金は預けないです。
人口減少にともなう長期的なGDP縮小が、法定準備率の押下げに寄与するのか気になった。
人口減少に伴う長期的なGDP縮小が、法定準備率の引き下げに直接的に寄与する可能性は低いと思います。。法定準備率は主に金融政策の手段として利用されますが、最近は政策手段としては使われていません。金利の調節で政策が達成できるからだと思います。
普段から当たり前に利用している貨幣の動きについて知ることができ、大変勉強になりました。近年普及している電子マネーは、日本銀行が発行する紙幣や硬貨のように目に見える形で存在していませんが、この存在はどのように担保がとられるのでしょうか。
電子マネーは、発行する企業が信用の源泉になっていて、法律などで支払いを保証するように決められていますが、倒産するリスクはゼロではないです。その点が現金と違うところだと思います。
中央銀行の買いオペ、売りオペがマネーストックや金利に与える影響には基本式がありますか。
基本的な構図は以下です。数式的なものはないですが、
買いオペ→日銀が国債を購入→支払代金が準備預金として増加→民間銀行は準備預金を引き出して預金とする→マネーストック増加→金利低下
といった経路だと思います。
仮想通貨等による取引が活発になると、日銀は準備預金を通じた景気の調整が困難になるのですか。
そうですね。もし仮想通貨が投機目的だけでなく、決済手段として広く利用されるようになれば、現金や預金への需要が低下する可能性があります。民間のマネーストックが調整しにくくなるので景気の調整は難しくなると思います。
日本における貨幣乗数の最大値はどの程度でしょうか?
貨幣乗数の推移(2002年度まで)
統計で遡ればわかると思いますが、徐々に低下しているので、昔ほど高いということになります。
最近は量的緩和政策の影響で、法定準備率とは関係ない要因でマネタリーベースが増えました。そのため、貨幣乗数は2程度になっています。

預金準備率は1991年以降変更されていないとのことですが、変更することにより発生する影響(リスク)を鑑みて慎重になっているからでしょうか。こまめに変更して調整することは難しいのでしょうか。
そうですね。変更すると、貸出行動に大きな影響を与えるので、慎重になっていると思います。金融政策では、公開市場操作を通じた金利の操作で行えるので、わざわざ預金準備率を変えないということだと思います。
政府と日本銀行は独立している印象だが、同調した経済・金融政策を行ったことで大きな困難が生じた国家が存在するのか気になった。
米国でも中央銀行の独立性が問題となっています。
中銀の独立性が機能するには 門間一夫氏
みずほリサーチ&テクノロジーズ エグゼクティブエコノミスト
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD161FJ0W5A910C2000000
プリペイド、後払いなど決済手段が多様化していますが、貨幣の流通速度には影響があるのでしょうか。
「デジタル決済は貨幣流通速度を加速させ、経済活動を活発化させる。」という研究がありました。
“The Impact of Digital Payments on the Velocity of Money: Accelerating Economic Transactions” (Dr. Sumita Gurnani, 2024年, International Journal of Research in Economics and Social Sciences)
