所得が一定で、価格が上昇した時、消費量はどのように変化するでしょうか。
代替効果と所得効果に分けて考えることができます。代替効果は必ず消費量を減らす方向に働きます。所得効果は、上級財の場合は減少方向に、下級財の場合は増加方向に働きます。
経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。
【経済学】経済学のまとめ
経済学の基本的な考え方について説明しました。
経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。
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代替効果
代替効果は、効用が一定のもとで、価格の変化がどのように消費量を変えるかを表します。
価格が上がれば消費量は必ず減ります。
たとえば、リンゴを10個、ミカンを10個が最適な消費量だったとします。この時、リンゴの価格だけ2倍になったらどうなるでしょうか。値段が上がれば、同じ量のリンゴとミカンを買えなくなります。
同じ効用を得ようとした場合、値段が上がったリンゴの消費量を減らし、相対的に安くなたミカンの消費量を増やすように消費量は変化します。これが代替効果です。
所得効果
所得効果は、財の性質によって消費量の変化が異なります。
価格が上昇すると、予算に変化がなければ、購入できる量は減ります。つまり、実質所得(名目所得を価格で割ったもの)は低下します。所得の増減が財に与える影響は様々で、
上級財の場合、所得が減れば消費量は減る
下級財の場合、所得が減れば消費量は増える
ことになります。所得効果は代替効果と違って、消費量を増やすか減らすかがわかりません。
グラフによる解説(上級財の場合)
代替効果と所得効果をグラフで解説します。まず上級財の場合です。
- X財の価格上昇前の最適な消費の組み合わせはG点です。
- X財の価格が上昇すると、予算線は直線Aから直線Bへと移動します。
- 予算内でX財だけを買った場合(予算線とX軸の交点)、買えるX財の量が半分になっていることがわかります。
- 直線A’は、直線Bに平行に引いたものです。
- GからFの変化が代替効果です。効用が同じ場合の財の組み合わせの変化です。
- FからEの変化が所得効果です。予算線がA’からBへ平行移動しています。上級財の場合、この効果はX財の消費量を減らします。
- 価格上昇前にXGだった消費量は、代替効果でXGからXFへと減り、所得効果でXFからXEへと減ることを表しています。
グラフによる解説(下級財の場合)
- 代替効果は、上級財の場合と同じです。
- GからFの変化が代替効果です。効用が同じ場合の財の組み合わせの変化です。
- FからEの変化が所得効果です。予算線がA’からBへ平行移動しています。下級財の場合、所得効果はプラスになります。この効果はX財の消費量をXFからXEへと増やします。
- 価格上昇前にXGだった消費量は、代替効果でXGからXFへと減り、所得効果でXFからXEへと増えることを表しています。
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