政府は毎月、経済状況について発表しており、「月例経済報告」と呼ばれています。景気に対する基調判断と政策の基本的な態度が読み取れます。
「景気は回復している」などの一言コメントが表紙に書いてある資料ですね。
政府の考え方がわかるけど、自分の景況感を考えるうえでも役立つよ。
月例経済報告は、首相や経済閣僚、与党幹部、日銀総裁などが出席する「月例経済報告等に関する関係閣僚会議」で毎月中旬に報告されます。メンバーを見ても重要な会議だということがわかるでしょう。
経済統計の使い方では、経済統計の入手法から分析法まで解説しています。
政府の景気への考え方がわかる
景気の基調判断
最も注目されるのが総論の景気の基調判断の部分で、景気の状況を端的に表す文章がでてきます。「景気は弱含みで推移している」あるいは「景気は回復している」といった表現です。景気の局面に応じて、回復→拡大→弱含み→悪化→底入れ→持ち直しなどの言葉が使われます。その後に、消費や投資、雇用、海外経済といった部門別の分析が文章で表現されています。
政策の基本的態度
次に、政策の基本的態度として、財政政策や金融政策に対する政府の基本的な考え方が述べられています。
月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料
月例経済報告では、最新の経済指標をグラフなどでわかりやすくまとめた「月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料」が発表され、インターネットで入手することができます。簡潔でわかりやすくまとめられており、この資料からおおまかな景気判断をすることが可能です。
主要経済指標
同時に「主要経済指標」も発表され、こちらもインターネットで入手することができます。さまざまな分野について、データが整理されています。景気を自分で判断する際にはこの資料が役に立ちます。
景気判断が難しいときは複雑な表現に
月例経済報告は、政府の景気に対する基本的な態度を示しているので、景気の転換点では特に注目されます。特に前月との言葉遣いの違いに注目します。前月が「景気は横ばいで推移している」という表現だったものが「景気が回復している」という表現に変わったとしたら、政府の「景気回復宣言」と受け取られます。
景気の回復基調がハッキリしてる時は、あっさり「景気は回復している」と発表され、明らかに悪化しているときは、「景気は悪化している」と表現されます。問題は、判断が難しい場合です。先行きの見通しが難しくなると、基調判断の文章が複雑になります。