EViewsは、エクセルのように、いろいろな変数を入れたり、推計方法を変えたりできるのが魅力です。
分析には試行錯誤が必要なので、その点では非常に便利なソフトです。
しかし、いったん分析手法が決まった後、データだけを変えることがありますが、推定を最初からやり直すのが面倒なことがあります。
また、47都道府県について、それぞれ推計する場合もあります。こういう場合はいちいちクリックして行うのは非効率です。
そういう場合に有用なのがプログラムです。この記事ではプログラムに必要な基本的な知識について解説します。
経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。
https://officekaisuiyoku.com/category/software/eviews/置換変数 %x
置換変数は文字に関する変数です。%をつけることでできます。%Xや%Aなどさまざまに作れますが、%Xを基本にしていると良いと思います。
%Xに文字列を代入するには以下の式を使います。文字列なので” “が必要です。
%X=”HK”
その変数を変数名などに使うときは、以下のように{ }で囲んで使います。
GDP{%X}
これはGDPHKを表します。
コントロール変数 !counter
コントロール変数は数字に関する変数です。X!やA!などどのような数字でもいいですが、!counterを基本にするといいと思います。!counterに1を入れるのは次の式です。
!counter=1
これを使うと、サブルーチン(後述)を実行するごとに数字を一つずつ増やすプログラムを書くことができます。
!counter=!counter+1
サブルーチン subroutine
ルーチンはひとまとまりの処理のことです。サブルーチンはその一部です。プログラムの中で変数を変えて何度も繰り返すような作業がありますが、それをサブルーチンと呼びます。
基本的な構造は以下の通りです。
- subroutine サブルーチン名
- コマンド
- endsub
- call サブルーチン名
まず、サブルーチン名を宣言します。その後処理を書きます。処理の最後には、endsubを書きます。これで処理の内容が決まります。
その処理を呼び出すはcallというコマンドを使います。
実例
これらの仕組みを使ってプログラムを使った例を示します。
今回の例は、都道府県別の実質GDP(gdp{%X})を人流(職場)(wp{%X})に回帰した例です。
都道府県別のIDは、北海道がhk、青森がaoなど47都道府県別あります。
サブルーチンとして、人流(階差)を実質GDP(対数階差)に回帰します。
equation gdpelast{%x}.ls dlog(gdp{%x}) c d(wp{%x}/100)
この推計結果の係数と自由度修正済み決定係数を表(atab)に書き込むようにしています。
counterは都道府県が変わるごとに一つずつ増えていくので、行が増えていき、結果が記録されます。
この結果として以下の表ができます。都道府県別に弾性値と自由度修正済み決定係数が記録されたものです。

プログラムの基本に関しては、以下の記事をご覧ください。

