経済統計の使い方
統計初心者の社会人向けに、経済データの解説をしています。「まとめページ」をご覧くだされば、全体的な内容がわかると思います。
経済分析

【経済分析】女性活躍関連指標|なでしこ、えるぼし、くるみんなど

女性の活躍する企業を探すことは、就活する女子学生にも重要ですし、今後のあるべき企業の一つの指針を探すことにもなります。

女性が活躍するための企業の指針にはさまざまなものがありますので、それをまとめました。

経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。

まとめのページ このサイトでは、経済指標や経済分析に関する記事をアップしています。現在はさまざまなジャンルの記事を随時更新しているので、全体像が分かり...

ジェンダーギャップ指数

ジェンダーギャップ指数は、世界経済フォーラムが発表しているものです。「経済」「教育」「健康」「政治」の4つの分野について、男女の平等度を測っています。2022年調査では、日本は146ヵ国中116位でかなり低いです。

4分野で使われている指標は以下の通りです。

指標
経済労働参加率
同一労働における賃金
推定勤労所得
管理職の数
専門・技術者の数
教育識字率
初等教育
中等教育
高等教育
健康出生児比
健康寿命
政治国会議員
閣僚
行政府の長の在任年数

内閣府男女共同参画局は以下のようにまとめています。「教育」、「健康」は非常に高いのに、「経済」、「政治」の不平等度がほかの国に比べて大きいことがわかります。

(出所)内閣府男女共同参画局

世界経済フォーラムが「ジェンダー・ギャップ指数2022」を公表内閣府男女共同参画局総務課

なでしこ銘柄

経済産業省は、女性活躍を推進する企業として、「なでしこ銘柄」「準なでしこ銘柄」を選定しています。

  • ダイバーシティ2.0の行動計画を策定している
  • 厚生労働省「女性活躍推進データベース」で女性管理職比率を開示している
  • 単体ベースで女性取締役が1名以上いること(社内取締役、社外取締役は問わない)

これらの企業について、7つの基準でスコアリングして業種ごとに上位に位置したものをなでしこ銘柄としています。

7つのアクション指標
経営戦略への組み込み・ダイバーシティや女性活躍推進の方針や宣言を明確にしている
・女性活躍推進の取り組みを経営トップがリード(コミット)している
推進体制の構築・女性活躍推進のための組織体制
ガバナンス・取締役会にて、経営におけるダイバーシティの取り組みの監督・推進
全社的な環境・ルールの整備・属性に係らず活躍できるような環境やルール・人事制度等の構築
・柔軟な勤務〈場所や時間〉を認める制度の構築
・労働時間適正化(長時間労働改善)の取り組み
管理職の行動・意識改革・職場環境整備や適切なマネジメント促進のための研修の実施
一般従業員の意識改革やキャリア形成・キャリアアップの支援・キャリア形成を支援する取り組み(研修や支援制度
情報開示・上記について、開示度合いを明示

えるぼし

「えるぼし」とは、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく認定制度で、厚生労働省が行っています。

5つの基準が設けられており、いくつクリアしたかでランクが分かれます。

  1. 採用
  2. 継続就業 
  3. 労働時間等の働き方
  4. 管理職比率
  5. 多様なキャリアコース

4段階に分かれています。1段階目は、1~2個満たす企業、2段階目は3~4個の基準を満たす企業、3段階目はすべての基準満たす企業です。プラチナえるぼしは、さらに次の基準を満たす必要があります。

  • 策定した一般事業主行動計画に基づく取組を実施し、当該行動計画に定めた目標を達成している
  • 男女雇用機会均等推進者、職業家庭両立推進者を選任している
  • 女性活躍推進法に基づく情報公表項目のうち、8項目以上を 「 女性の活躍推進企業データベース 」 で公表している

5つの基準の内容は複雑なので、えるぼし認定、プラチナえるぼし認定サイトを参考にしてください。たとえば採用については、次の基準になります。

①男女別の採用における競争倍率(応募者数/採用者数)が同程度であること。(直近3事業年度の平均した「採用における女性の競争倍率×0.8」 が、直近3事業年度の平均した「採用における男性の競争倍率」よりも雇用管理区分ごとにそれぞれ低いこと。)
又は
② 直近の事業年度において、次の(i)と(ii)の両方に該当すること。
(i) 正社員に占める女性労働者の割合が産業ごとの平均値(平均値が4割を超える場合は4割)以上であること。
(ii) 正社員の基幹的な雇用管理区分における女性労働者の割合が産業ごとの平均値(平均値が4割を超える場合は4割)以上であること

えるぼし認定企業一覧は、女性活躍推進法への取組状況のサイトから入手できます。

プラチナえるぼし取得企業は以下の28社です。

  • 社会福祉法人スプリング
  • 株式会社プラザ企画
  • ちばぎん証券株式会社
  • 株式会社千葉銀行
  • 株式会社矢野経済研究所
  • 株式会社コスモピア
  • 三井住友トラスト・ビジネスサービス株式会社
  • 公益財団法人原子力安全研究協会
  • 独立行政法人日本貿易振興機構
  • ソリッドインテリジェンス株式会社
  • 富士ソフトサービスビューロ株式会社
  • 株式会社ワーク・ライフバランス
  • 株式会社コンベンションリンケージ
  • 株式会社シーボン
  • 株式会社ヨロズ
  • 社会福祉法人篤豊会
  • 株式会社ドコモCS北陸
  • 福井県民生活協同組合
  • 静銀ビジネスクリエイト
  • 株式会社 社会福祉法人美芳会
  • 株式会社ヤマハコーポレートサービス
  • 株式会社Z会
  • 名古屋眼鏡株式会社
  • 一般財団法人名古屋市療養サービス事業団
  • ランゲート株式会社
  • 株式会社インテリックス
  • 社会福祉法人あすなろ会
  • 学校法人平成学園

くるみん

くるみんは、厚生労働省が「子育てサポート企業」として、認定するマークです。

2015年4月から始まった制度で、2022年4月から、基準が厳しくなり、従来のくるみんを満たす企業はトライくるみんとなりました。最も厳しい基準をクリアすると、プラチナくるみんマークを使えます。

プラチナくるみんくるみんトライくるみん
男性の育児休業等取得率30%以上10%以上7%以上
男性の育児休業等・育児目的休暇取得率50%以上20%以上15%以上
女性の継続就業に関する基準70%以上
ウエブサイトでの公表必要必要

女性の継続就業に関する基準」とは、出産した女性労働者及び出産予定だったが退職した女性労働者のうち、子の1歳時点在職者割合を指します。

ウエブサイトでの公表」は、男女の育児休業等取得率等を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表することを指します。

新ダイバーシティ経営企業100選

経済産業省が発表しているダイバーシティ経営企業表彰です。

ダイバーシティ経営100選に選ばれた企業のリストは以下のサイトに載っています。Clarityのホームページです。

Clarity ダイバーシティ100選に表彰された企業一覧

日経WOMAN

日経WOMANでは、女性が活躍する会社BEST100を発表しています。

日経WOMAN

4つの部門に分けて評価しています。

  • 管理職登用度
  • 女性活躍推進度
  • ワークライフバランス度
  • 人材多様性度

各部門を評価する指標は以下の通りです。

部門指標
管理職登用度女性の社内取締役、社外取締役の人数
女性部長、女性課長の人数
女性の最高役職名
女性活躍推進度女性社員の活躍推進のための取り組み
経営トップが女性活躍推進にコミットしているか
非正規社員から正規社員になどキャリア支援制度
ワークライフバランス度正社員1人当たりの年間総実労働時間
働き方の多様化のために実施してる施策
男性の育児休業取得率
人材多様性度男性社員・女性社員の平均勤続年数
障がい者の雇用比率
LGBTへの理解促進度
(出所)日経WOMAN2022年6月号

就職四季報女子版

東洋経済新報社は会社四季報の就活版を発行していますが、その中には女子版もあります。女子学生の目線から就活をみるということで、女性活躍への評価もしていると考えられます。2022年版には重要データランキングベスト100社として以下のランキングが載っています。

  • 女性採用人数ベスト100
  • 女性勤続年数ベスト100
  • 女性既婚率ベスト100
  • 女性社員比率ベスト100

各社の重要指標としては、以下の4つが大きく表示されています。

  • 勤続年数(女性)
  • 有給取得率
  • 3年後離職率(女性)
  • 平均年収(平均年齢)

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内閣府男女共同参画局

女性活躍推進法「見える化」サイト

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