終身雇用制が特徴だった日本的雇用も変わりつつあります。転職者数はどの程度増えているのでしょうか。
転職者数を示す直接のデータはありません。総務省のレポートによれば、就業者のうち、前職があるもので、過去1年以内に離職したものを転職者数としています。これらの数値を調べているのは、労働力調査の詳細集計です。労働力調査は月次統計ですが、詳細集計は四半期に一回発表されます。
経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。
e-Statによるデータの入手
e-Statを使ってデータを入手してみましょう。
e-Statのホーム画面から、「分野」を選び、労働・賃金分野にある労働力調査を選びます。
労働力調査の画面では、「データベース」を選びます。
労働力調査にあるデータベースのマークを選ぶと、■基本集計、■詳細集計、■特殊系列などさまざまな集計結果がありますが、今回は詳細集計 全都道府県の年次を選び、年次で転職者数を取り出すことにします。
次に、詳細集計の中から表を選びます。産業分類の違いによって、複数の表がありますが、表1-4-1を選びます。
さらに、その中から、直近までデータのある、最上段の表を選びます。上の画像では身肉ですが、以下のように書いてあります。
前職の産業,前職の離職時期,前職の離職理由,就業状態別15歳以上人口(前職が非農林業雇用者で過去3年間の離職者)(2011年~)-第12・13回改定産業分類による
表示項目の設定
次に、表示項目の設定で項目を決めればデータを得ることが出来ます。「総数」だけ選ぶ場合は、まず全解除をクリックしてすべてのチェックマークをはずし、「総数」だけチェックすると簡単です。
項目 | 選択する項目 |
性別 | 総数 |
前職の離職理由 | 総数 |
前職の離職時期 | 過去1年間に離職 |
前職の産業(第12・13回改定) | 総数 |
就業状態(詳細集計) | 就業者 |
年齢階級(詳細集計) | 総数 |
地域 | 総数 |
時間軸(年次) | すべて |
基本的には総数、すべてといった項目を選びます。前職の離職時期については、「過去1年間に離職」を選び、就業状態(詳細集計)について就業者を選べば、転職者数が表示されます。
出力結果
グラフの作成
e-sata上でグラフを描くこともできますが、きれいなグラフは描けないので、ダウンロードしてエクセルでグラフを描くと以下のようになります。転職者数は、徐々にふえていましたが、新型コロナウイルス拡大感染後は転職者が減っていることがわかります。