経済統計の使い方
統計初心者の社会人向けに、経済データの解説をしています。「まとめページ」をご覧くだされば、全体的な内容がわかると思います。
経済学

経済学 Q&A その4

マクロ5,マクロ6

さらにわからないことがある場合は、以下の検索AIが答えてくれますので試してみてください。

Contents
  1. 預金準備率
  2. 内部留保
  3. 利上げの影響
  4. 情報の経済学
  5. マネーストック、マネタリーベース
  6. 金融全般
  7. 試験など

預金準備率

金利の変更に対して、法廷預金準備率の変更はニュースであまり聞きませんが、変更されることは少ないのでしょうか。

預金準備金の法定準備率は定期的に変化したりするのでしょうか。それとも、法定準備率制度が確立された時点から変化してはいないのでしょうか。

預金準備率を何パーセントにするかは実際にどのように決められているのでしょうか。

1991年10月以降変更されていないようです。

日本銀行のサイトによれば、普通預金の預金準備率は0.1%です。

かつては、準備率を上下させることにより、金融機関のコスト負担の増減を通じてその貸出態度等に影響を与えること、つまり、準備率操作を通じて金融を緩和、または引き締めることを目的として運用されていました。しかし、現在、わが国をはじめ短期金融市場が発達した主要国では、そうした金融緩和・引締めの手段として準備預金制度は利用されておらず、わが国の準備率も、1991年(平成3年)10月を最後に変更されていません。

日本銀行 教えてにちぎん!

内部留保

内部留保とは、企業の純資産的なものでしょうか

問5について、内部留保からの資金調達はどのように分類されるのでしょうか?

内部留保は、企業の利益のうち、使わずに内部にとどめているものです。ですから、資金調達には当たりません。

内部留保は企業の純資産の一部です。

利上げの影響

ビデオの中で説明のあった「高金利→GDPを押し下げる」、「低金利→GDPを引き上げる」の仕組みがよくわからなかった。

信用創造についての説明が分かりやすく、お金の動きが理解できました。金利の上げ下げの効果についてもっと教えていただきたいと思いました。

金利の影響は、企業への設備投資の影響が大きいです。金利が上がると銀行から資金が借りにくくなるので、設備投資が減り、GDPが減少します。

情報の経済学

金融機関が融資をする際に審査をすることで逆選択が解消される仕組みがいまいち理解できませんでした。

銀行は当初融資を希望する企業についての情報を持っていません。

企業は自分の業績を知っているけれど、銀行は知らないという情報の非対称性があります。

そこで、企業の業績を調べる(審査)することで、情報の非対称性を解消します。これによって逆選択などの状況を避けることができます。

情報の非対称性が起きてしまうと、保険会社は保険金を支払わざるを得なくなってしまいもうけが減ってしまうのでしょうか?

そうですね。それを避けるために、保険に入るときに健康診断を義務づけるなど、情報の非対称性を減らすようにします。

情報の非対称性による逆選択は市場の失敗の一例かと思いますが、経済学的な視点で情報の非対称性を緩和する方法はありますでしょうか。

シグナリング:情報を持っている側が、情報を提示する方法です。企業の例だと、企業側が積極的に情報を開示することで、情報の非対称性がなくなります。中古車の場合だと、車の品質保証をすることなどです。

マネーストック、マネタリーベース

マネーストックのM2に含まれない銀行について、図のとおりゆうちょ銀行だけが含まれないのでしょうか。

細かくいうと、農協や漁協は含まれていませんが、おもにゆうちょ銀行です。M2の対象金融機関は、統計改定前の中心的指標M2+CDと揃えていて、長期的な分析が可能なので、このような分類になっています。

なお、経済・物価情勢の展望(展望レポート)ではM2の動きを記述していますが、これは、従来から説明していたM2+CDの後継指標であるためです。M3については、長期の時系列が存在しないことや、ゆうちょ銀行の業務の性質など、分析、評価する上で考慮すべきポイントがあるため、今後蓄積されるデータもみながら、分析を行っていきたいと考えています。

日本銀行 マネーストック統計のFAQ

マネーストックの表においてゆうちょは民間銀行と区別されておりますが、民営化後も同様なのでしょうか。

上記にあるように、現在はゆうちょ銀行を入れたM3で分析ができますが、民営化前のデータがないため、M3では長期的な分析ができず、ゆうちょ銀行を除いたM2を使う場合が多いようです。

民間銀行部門の現金とはそもそもどういうものでしょうか

銀行のATMの中に入ってる現金などです。

レジュメの問題3の出し方がよくわかりませんでした。

C(現金)+R(準備預金)=H(ハイパワードマネー=マネタリーベース)という関係を覚えておけば解けると思います。

貨幣乗数に関して、ハイパワード・マネーを変動を通じてマネーストックを変化させるとの説明がありましたが、貨幣乗数が一定というのがどういった状況なのかご説明いただけないでしょうか。

預金準備比率や現金/預金比率が一定で、信用創造プロセスが安定している場合です。

問3のマネーストックの記述について誤っているものはどれかについて、どれが明確な誤りか正直不明です。どれも正しいように思えます。

M2には定期預金のほか、要求払い預金(普通預金や当座預金)が含まれます。

金融全般

ケンブリッジ方程式について、GDPは貨幣の取引量に比例するとの仮定(PT∝GDP)から、M=k×GDPはM∝k×GDPでしょうか。それとも、このときのkはk=1/Vではなく、PTとGDPの間の比例定数も含んでいるため等号で表されているということでしょうか。

「GDPが貨幣の取引量に比例すると」を「GDPが物価と取引量の積だとすると」に修正しようと思います。そうすると M=k×GDPとなります。

現在は不況経済から脱出したといっていいのでしょうか。そもそも、脱出したといえるのはどういう時なのでしょうか。

不況の定義にもよりますが、物価が多少上がっているので、以前に比べれば景気は良くなっていると思います。

ハイパワードマネーは中央銀行が調整できるとのことでしたが、ハイパワードマネーのうち現金部分は公開市場操作等による市場への国債購入(資金供給)・国債売却(資金吸収)で、預金部分は預金準備率の変更でコントロールできるという認識でよろしいでしょうか。

その通りです。公開市場操作の説明が必要でした。

仮想通貨は広義流動性に含まれるのでしょうか?

現状は含まれないと思います。流動性の高い金融資産にはなると思うのでいずれは入るかもしれません。現在は価格変動が大きく、制御もあまりできてないので、算入すると不安定な動きをするかもされません。

日銀が政策を決定するためには、どんなことを考えているのか、教えていただきたいです。

日本銀行は基本的には物価の安定を図ることを中心に考えていると思います。以下は日本銀行法です。

(目的)
第一条 日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うことを目的とする。

日本銀行は、前項に規定するもののほか、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とする。

(通貨及び金融の調節の理念)
第二条 日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。

日本銀行法

貨幣流通速度とはどのようなことを表しているのでしょうか。

お金の回る速度を表しています。一定期間の間にどれくらい取引に使われるかということです。回転が早すぎる場合は、貨幣の供給が足りないということになります。

家計に注目した場合、消費と貯蓄(信用創造)の比率をどの程度にしたらマクロ経済学的に最良になるのか先生の見解がありましたら教えてください。

家計の方は、現状ではもっと消費をした方が景気がよくなるのではないかと思います。企業も、利益を設備投資へ回した方がよいと思います。

動画でマネーサプライを減らすと短期金利が上がるとの説明がありましたが、早くてなぜそうなるのかその場では理解できませんでした。復習してみようと思います。

貨幣需要が変わらない中で、貨幣供給が増えると、高い金利を払って貨幣を需要する人が減るので、金利が下がります。

今、政府で積み立てNISA等の投資を個人でも進めるように働きかけが行われていますが、これは日本に通貨を流通させることが目的なのでしょうか。銀行預金があれば、いいのでは?と思ってしまいました。それから、ナンジの名前の由来は、ナッジから来ているんでしょうか。

NISAは、通貨を流通させるというよりは、預金から株式へのシフトを狙っているものです。株式市場にお金が回れば、企業は資金調達が容易になるので、経済の活性化に役立つと思います。

ないですナンジはソナタと対になっているもので、ナッジとは関係ないです。動画のシナリオを作った渡辺監督の考案です。ナッジは経済学では重要ですが。

信用創造について、動画ではAさんがB銀行に100万円預ける→B銀行がC社に90万円を融資→C社がD社から設備購入→D社がE銀行に売り上げの90万円を預ける。B銀行及びE銀行の預金は合わせて190万円として信用創造が成り立つということでしたが、この時D社がE銀行ではなくB銀行に預けていた場合でも信用創造は成り立つという理解でよいでしょうか。

B銀行には当初の100万円に90万円が上乗せされるかたちで、信用創造が成り立ちます。

(質問1)企業における資本金は、株式や社債など直接金融で調達したお金ということですか。

社債は借金になるので、基本的には株式で調達するということになります。

試験など

テストに計算問題は出るでしょうか?その場合、電卓の持ち込みも不可でしょうか?計算が苦手です。

講義とは関係ありませんが、今までの問題の解答はいただけるのでしょうか。もしくは、適宜過去の問題も含めて問題を解いて回答を送信し、解答を表示させてもよろしいでしょうか。

(質問2)試験の質問で大変恐縮ですが、記述問題についても資料で登場した用語などに関するものという形でしょうか。(出題形式問わずですが、)レジュメには記載がないがビデオでは登場した用語などが出題されることはございますでしょうか。

ビデオに登場しただけの用語は出題されないです。

山澤先生はディズニーランドがお好きなのでしょうか。

そうですね。ディズニーランドを例えに使って授業をすることが多いです。以下の本も出版しています。

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