- 生産側のGDPが7月15日に発表されました。
- これまで暦年系列しかなかったが、参考系列として四半期ごとに発表されます。
- 産業別に経済動向をとらえることができ、高度な分析が期待できます。
- 発表が遅いのが問題点です。(4か月+2週間後)
経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。
【GDP】GDPのまとめ
経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。
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四半期系列公表開始
GDPは、三面等価の原則から、支出面、生産面、分配面から推計できます。暦年の系列は、そろぞれ発表されていましたが、四半期系列は支出面からしか発表されていませんでした。よく新聞やテレビのニュースで見るGDPは支出面のGDP系列です。
7月15日に、2022年1-3月期の生産面からみた四半期GDPが発表されました。日本のGDP統計の歴史の中でも画期的な出来事の一つでしょう。
生産面からのGDPとは、産業別のGDPのことです。下図は、生産面からのGDPの前期比伸び率と、第1次産業、第2次産業、第3次産業の寄与度を表しています。第1次産業の寄与はほとんどなく、第2次産業と第3次産業の動きでGDPが決まっていることがわかります。
産業別に経済動向をとらえる
生産面からのGDPが発表されることで、産業別の経済動向をつかむことができるようになります。しかも、29分類とかなり細かい分類で発表されています。経済分析のツールとしては強力なものの一つです。グラフは、情報・通信機器、輸送用機械、宿泊・飲食サービス業のGDPをそれぞれ示したものです。
発表が遅いのが問題点
課題としては、発表が遅いことです。2020年1-3月期のGDPが7月半ばに発表されています。支出面からの四半期GDPは5月半ばに発表されるので、2ヵ月遅れです。これだけ遅いと、金融市場からはあまり注目されないでしょう。
生産面からのGDPが支出面からのGDPと同時に発表されれば、現状分析の幅がかなり広がることになり、速報化が望まれます。
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