日本全国の統計も重要ですが、地方統計も重要です。
新型コロナウイルス感染拡大でその重要性が増しました。新型コロナウイルスの感染状況は、都道府県によって違い、その対応も都道府県によって異なります、これらの政策効果をみるには、都道府県や市区町村別統計が重要になります。
地方別統計が必要なのは災害の時に顕著ですが、その他、景気動向や産業構造によって状況が違います。これらを把握するには地方別の統計が必要になります。
経済統計の使い方では、経済統計の入手法から分析法まで解説しています。
都道府県データの重要性
新型コロナウイルスの感染拡大で、都道府県別データが重視されるようになりました。新規感染者は全国一律に広がるわけではありませn。感染拡大が深刻な地域もあれば、そうでもない地域もあります。地域別に感染者を捉えることが重要なように、経済活動も地域別にとらえる必要があります。
都道府県データのサイト
都道府県別のデータのサイトには以下のものがあります。
- DATASALAD 九州経済調査協会
- 統計で見る都道府県のすがた
- e-Stat 都道府県・市区町村のすがた(社会・人口統計体系)
- 県民経済計算
- 各都道府県の統計サイト
- 都道府県別鉱工業生産指数
- 地域別総合支出指数(RDEI)
県民経済計算
概要
県民経済計算は、都道府県別のGDP統計といえるものです。各都道府県で作成して発表されていますが、年に1回内閣府が47都道府県を取りまとめて県民経済計算として発表しています。
作成法
作成法については、統計の作成法のページに、「県民経済計算標準方式」と「2015年(平成27年)基準 県民経済計算推計方法ガイドライン」が公開されています。
「県民経済計算標準方式」は、国民経済計算との比較や都道府県間で比較を可能にするために、標準的な方法を決めたものです。どのような表を載せるかなどについて解説されています。
「県民経済計算推計方法ガイドライン」はもっと細かく、たとえば、「製造業の生産額は工業統計を使ってすいけいする」、といった統計の使い方まで書いたものです。これを読めば作成方法が詳細にわかります。
四半期速報
県民経済計算は発表が遅いので、速報値として四半期速報などを発表している都道府県があります。以前は発表していた都道府県が多かったですが、最近は兵庫県、福岡県、茨城県など少なくなっています。
四半期分割
地方統計には、年次データはあるけれど、四半期データがない場合があります。その場合は、年次統計を四半期分割する必要があり、様々な手法が考案されています。
チャウリン法
チャウリン法は、補助系列が複数ある場合にも使えます。
プロラタ法
プロラタ法は、補助系列の情報を利用して比較的簡便に分割する方法です。
デントン法
デントン法は断層問題を回避するために考えられた。
おすすめ図書
「まちづくりの統計学」は、地方自治体で実際に政策運営している方たちが書いた本なので、実用的でお勧めです。