ハンス・ロリングが書いた『ファクトフルネス』は統計関係者にさまざまな示唆を与える書籍です。一方で、データは日々更新され、状況は変わっています。
『ファクトフルネスの』最新の情報を得ることができるのが、ギャップマインダー財団のホームページです。
この記事では、その使い方について説明します。
経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。
経済統計の使い方では、統計データの入手法から分析法まで解説しています。

寿命と所得
本の中で大きく扱われているグラフが、寿命と所得(一人当たりGDP)のデータです。書籍では2017年のデータが載っていますが、ウェブ上では2021年まで延長されています。
Animating Dataというコーナーで、左下のプレイボタンを押すと1800年から世界がどのように変化してきたのかがわかります。右下の丸いボタンを左右に動かすことで、さまざまな年の寿命と所得の関係がわかります。
縦軸、横軸をほかのデータに換えたり、別のタイプのグラフも載っています。

ダラーストリート
もう一つがダラーストリートです。これは、国によって暮らしぶりが違うのではなく、所得によって暮らしぶりが違うことがわかるものです。同じ国でも、所得が違えば暮らしぶりは違い、違う国でも所得が同じなら暮らしぶりが同じことがわかります。
また、それぞれの所得がどのような生活環境を表しているのかがわかります。
書籍の口絵には、1日当たりの所得で分けてありますが、ウェブでの基準は1ヵ月当りになっています。1ヵ月当たりを30倍として計算すると以下になります。
レベル1 | レベル2 | レベル3 | レベル4 | |
1日当たり | 2ドルまで | 2ドルから8ドル | 8ドルから32ドル | 32以上 |
1ヵ月当たり | 60ドル | 60ドルから240ドル | 240ドルから960ドル | 960ドル以上 |
ウエッブ版では、レベル1からレベル4の所得別写真が自動的に表示されます。書籍の口絵を再現するには、以下の項目を表示します。
- 水の調達 All topics → Get water
- 移動手段 All topics → Bikes, Cars
- 調理方法 All topics → Starting stoves
- 料理 All topics → Cooking
- ベッド Popular → Beds

戦争による死者数
第4章 恐怖本能には、戦争や紛争による犠牲者数の推移が載っています。戦争の犠牲者が10年ごとに減り続けているというグラフですが、状況が変わっているかもしれません。
Our World in Data
オックスフォード大学のOur World in Dataには、戦争による死者のデータが載っています。現在は2020年までしか載っていませんが、データが更新されると、どのような値になるのか注目されます。

ウプサラ紛争データプログラム
ウプサラ紛争データプログラムは、紛争データのデータソースになっています。スウェーデンのウプサラ大学に存在する組織的暴力についてのデータ収集プロジェクトです。


